全舞台キャンセルの苦境…劇団たんぽぽ、半年ぶりの公演で代表「みんな 、楽しそうでした」 浜松市
今月15日、浜松市の劇団たんぽぽによる公演がおこなわれました。劇団にとっては実に半年ぶりの公演です。
新型コロナの感染拡大で、2月以降の公演はすべてキャンセルされました。劇団の収入が途絶えたことで、劇団員は生活費のためにアルバイトをせざるを得なくなりました。
若手俳優・榊原暁哉さんと今年の春、初舞台を踏むはずだった望月香澄さんは、下を向きませんでした。
榊原暁哉さん:「こういう仕事も経験なので、演技に通じるところもあると思うので」
望月香澄さん:「新しい人との交流とか、出会えた縁というのが、私は良かったなと思います」
きっとまた、観客の前で演じられる。
そして―
8月15日の公演実施が決まりました。
今月11日、4日後に迫った本番に向けて通し稽古です。6カ月ぶりの公演とあって、不安をのぞかせます。
金原綾香さん:「体力面が落ちてしまって、疲れやすくなっているので、体力をなるべく落ちないように普段から心がけていたんですけど、やっぱり落ちてるところは落ちてると痛感します」
それでも、ようやく演技ができる喜びが勝っているようです。
榊原暁哉さん:「長い期間、芝居をしていなかったので、本当にお客さんを楽しませたいという気持ちと同時に、自分も演劇を楽しみたいなと思ってます」
初舞台となる望月さんも堂々と演技しています。
望月香澄さん:「とてもうれしいです。待ちに待っていて、初めて役者としてもらえた役なので、とてもうれしいです」
公演の前日には東京から振付師を呼び、一人一人の立ち位置や、ステップの方向など細かいところまでチェックしました。
振付師指導
「2人が下に降りるよね。そこのところで暁哉と香澄ちゃんの位置を広げたいな」
いよいよ本番当日。演目は10歳の少年が夏休みにおじいさんの住む山を訪れ、不思議な不思議な体験をするというお話です。
舞台に上がる役者は7人のみ。主人公の少年役以外は2役以上を演じ、セミの鳴き声や木々のざわめきなど、効果音の仕事も担います。
観客も待ちに待った公演再開。決して大きくはない会場全体に劇団員の魂のこもった演技がはじけました。
歌♪ :「遠く不思議な昔の記憶。遠く不思議な夏の思い出」
望月香澄さん:「すごい緊張してドキドキしましたが、無事終えることができて、とてもうれしかった」
榊原暁哉さん:「自分が楽しめたので、とても良い舞台になったと思います」
金原綾香さん:「これからも子供たちに夢を、元気を届けることができる芝居をしていきたい」
上保節子代表:「良かったなと思います。みんな楽しそうでした。やっぱりみんな舞台にのせてあげなきゃだめだなとつくづく思いました」