道の駅の設置を願い…『1日限りの道の駅』でアピール 中部横断自動車道の全線開通で甲信越地方へのアクセス向上 静岡・清水区
駿河区役所職員:「ただいまより『リベンジ第1回清水庵原フェス』開会を宣言します」
クラッカーで幕を開けた、手作り感満載のこちらの催し。実は「庵原地区に道の駅を作るため」の社会実験イベントです。
開催場所は庵原球場の駐車場。地元の野菜や加工品、清水の海の幸などが庵原地区に勢ぞろい。“1日限りの道の駅”が登場しました。
庵原地区道の駅実行委員会 山梨滋己委員長:「清水には道の駅がないんですよね。山梨・長野方面から道の駅を目指して、ついでに清水の名所を周るというようなパターンが定着してくれるといいなと思っている」
開催にあたっては地元の有志らが、およそ3年前から準備を進めてきました。今年2月に行う予定でしたが、コロナの影響で延期に。ようやく開催に漕ぎつけ、イベントの名前には「リベンジ」の言葉が―
庵原地区道の駅実行委員会 山梨滋己委員長:「清水の農産物や魚など特色があるので、ぜひここを目指して他県から人を呼べれば、ということを強く念じている」
「道の駅構想」の背景に中部横断自動車道
そもそも、なぜ庵原地区で「道の駅構想」が生まれたのか。その背景には…。
静岡市の新清水ジャンクションから長野県の佐久小諸ジャンクションを結ぶ中部横断自動車道。去年8月、静岡―山梨間が全線開通し、甲信越地方へのアクセスは格段に良くなりました。そこに目を付けていたのが新清水ジャンクションからほど近く、新東名高速と東名高速の連絡道路の「清水いはらインターチェンジ」がある庵原地区です。
庵原地区道の駅実行委員会 山梨滋己委員長:「実際に他の地区の道の駅を目指して旅行する、小さな(近場の)ドライブが結構定着しているみたいなんです。人が動けばお金が動くということで(道の駅は)かなり地域に貢献してくれると聞いているのでそういうものができたらいいと思う」
経済以外にもメリット
また、道の駅ができることのメリットは、経済だけではありません。
静岡経済研究所 玉置実主席研究員:「道の駅は当初、ドライバーの休憩施設の機能があったが、そのあと地震・津波など災害時の避難場所としての効果、拠点としての機能発揮が言われてきた。最近では、(地域の)特産品の販売などの地域の観光拠点、集客拠点としての機能が高まっていて、地域活性化の一つの要因につながっていく」
しかし、現時点で静岡市が庵原地区に新たな道の駅を作る具体的な計画はありません。そこで、実行委員会は今回のようにイベントを開催するなどして実績を積み上げ、「道の駅」を実現するために、アピールしていきたいと考えているのです。
「おいしいミカンを知ってほしい」
会場には22の出店が並び、地元以外に焼津市や島田市からも参加していました。
こちらは庵原地区でミカン農園を営む出店者です。
出店者 庵原地区のミカン農園:「地元の人にもっとおいしいミカンを知ってほしいというのと、静岡市に道の駅がないので、それがちょっと残念。そういうのがあったらぜひ買いに行きたいという(お客さんの)声をよく聞くので、こういうところで皆さんに来てもらってその参考になってくれれば」
イベントには、地元の農協も参加していました。
JAしみず営業経済部 望月保秀主任:「(道の駅ができれば)庵原地域も活性化すると思うし、そこで作っている農産品も、今までとまた違うお客さまに届くということで、そうなればうれしい」
来場客の反応は…。
地元住民70代
「けっこう皆さん興味があって来るんですね。私も近くだから歩いて来ましたけど、清水の街が観光客が増えればよろしいんじゃないでしょうか」
静岡市民30代
「大きなイベントをやると聞いていて、中止になったのも聞いていて、やっと来られて、雨の中だったけど頑張って行ってみようと思って、来たらやっていたので良かったです」
Q.もし庵原地区に道の駅ができたら?
A.「来やすくなったのでいいと思う。気軽に来られると思うので」
あいにくの雨でしたが、県内客を中心におよそ2000人が来場しました。
庵原地区道の駅実行委員会 山梨滋己委員長:「庵原地区だけではなく、清水の街にも元気を取り戻してほしい。とにかく清水区に受け皿がないので、ぜひ常設の道の駅に向かう第一歩になればいいなと思う」
(5月26日放送)