灯台マニアも絶賛! 日本初の鉄筋コンクリート造りの清水灯台 110年の時を経て国の重要文化財登録へ 静岡市

夜の海を照らす灯台。静かにたたずみ、港の安全を守っています。このほど静岡市の三保半島にある清水灯台が、国の重要文化財に登録されることがほぼ確実に。

画像: 灯台マニアも絶賛! 日本初の鉄筋コンクリート造りの清水灯台 110年の時を経て国の重要文化財登録へ 静岡市

灯台マニアの不動さん

「私にとっては国宝のような。清水を、この土地を潤わせる。こうやって状態がよく残っているのは、やっぱりさすがですね、清水灯台」

世界中の灯台を訪ねてきた専門家も絶賛する清水灯台。知る人ぞ知る魅力と歴史に迫ります。 

西尾梓アナウンサー:「さあこれから灯台を巡って行くんですが、今日は協力な助っ人をお呼びしています。灯台マニアの不動さんですよろしくお願いします」

 今回、灯台の魅力を教えてくれるのは、不動まゆうさん。灯台が好きすぎて自費でフリーペーパーを出版してしまうほど。海外のものを含めると、今まで巡った数はおよそ600。なんと結婚式も灯台であげてしまったほど。
 そんな不動さんに静岡の灯台の特徴を尋ねると…

画像: 不動まゆうさん

不動まゆうさん

灯台マニア 
不動まゆうさん:「静岡はめちゃめちゃ役者揃いなんですよ。もう現役最古の神子元島灯台っていうのが下田の沖10Kmぐらいの島に無人島に立っていて、それが私にとっては日本のキングオブ灯台なんですね、ユニークな灯台がたくさんあるので、私静岡って灯台王国だと思っています、今日はぜひ静岡の皆さんに灯台の魅力を分かってもらいたいと思います、時間もったいないので早速行きましょう」

特別に清水灯台の中へ…

今回2人がやってきたのは、駿河湾に突き出た三保半島。富士山を望む景勝地としても知られています。

西尾アナ:「今日は富士山が綺麗ですね」

不動さん:「正面に見えますね」

西尾アナ:「てっぺんまできれいに見えていますね、きょうは」

 ※突然走り出す不動さん

西尾アナ:「ちょっと待ってください。灯台を見つけた途端にシャッターを切るんですね」

不動さん:「これ富士山と一緒に撮れるっていいですね」

 ホント、素敵な写真です。「三保灯台」の通称でも親しまれている清水灯台は、1912(明治45)年、日本で初めての鉄筋コンクリート造りの灯台として建てられました。1995年に無人となりましたが、完成から110年たった今も清水海上保安部の管理のもと、現役で海の安全を守っています。

画像: 特別に清水灯台の中へ…

西尾梓アナウンサー:「今回、特別に灯台の中に入らせていただきました」

不動まゆうさん:「私、中は初めてなんです、いつもこの門の外からすごく中に入ってみたいと思って眺めていたので、ついに中にお邪魔します。ありがとうございます」

西尾アナ:「迫力ありますね」

不動さん;「このフォルム、このスラっとしたスレンダーな姿は中々他の灯台にはないというか、美しい八角形の清水灯台」 

 大正以降、この形をモデルにして全国に多くの灯台が造られました。

不動さん:「はじめまして、やっとくっつけた」

 まずは清水灯台にご挨拶。そしていよいよ…

不動さん:「行きましょう お邪魔します」

西尾アナ:「失礼します」

不動さん:「一番最初に建てられた時の記念額」

西尾アナ:「今も残っているんですね」

不動さん:「明治・大正・昭和・平成ずっと時を超えてこの灯台と共にここにあるという証拠」

灯台のレンズを回す動力は…

細いらせん階段を登ると…黒い柱のようなものが。

第三管区海上保安本部 清水海上保安部 
近藤大輔 安全対策係長:「特別にきょうは中を開いてお見せしたいと思う」

不動さん:「滑車が残っているんだ、すごい」

西尾アナ:「滑車ですか」

画像: 灯台のレンズを回す動力は…

 柱の中にあったのは滑車。かつて灯台守は、この滑車に分銅をつけ、その重さで灯台のレンズを回していました。昭和29年に電動式に変わるまで、昔は人の力でレンズを回していたんです。

不動さん:「昔、灯台守の人はこれを巻き上げて」

西尾アナ:「手動で」

不動さん:「下りていく間、ちゃんとレンズが回ってくれるためのもの。状態が良く残っているのはやっぱりさすが清水灯台。灯台守の人がすごく手をかけて管理をされていたと思う。いた。素敵だ。だいぶ歴史を感じる。見つけた」

西尾アナ:「見つけました?」

不動さん:「見つけました。すごいの見つけちゃいました」

西尾アナ:「どこにありますか?」

不動さん:「実はここにこのレンズをつくったメーカー名が残っている。チャンス ブラザーズ。これイギリス製のレンズ。明治期の灯台はイギリス製もしくはフランス製のレンズが残っていることが多い。でもそれはすごい少ない、希少価値のあるもの。これ私にとっては国宝のような感じのもの」

船の安全を守る光

画像: 船の安全を守る光

不動さん:「夜になるとこっから光がね、この海をサーっと走って行くんですよ26Kmまでこのレンズは飛ばしてくれるはずなので」

不動さん:「船乗りはこの光を見てここが清水灯台だ。だったらもう少ししたら清水港があるぞ、進路を変える判断基準になるので、とても重要な目印になる」

西尾アナ:「それが船の安全を守っている?」

不動さん:「そうです。20秒で一回転するここに目が一つ、こっち側にもう一つある。20秒で2閃光ということは清水灯台だということが船乗りからもわかる。他の街灯りとまぎれないようにちゃんとメッセージ性の高い光を放っている」

西尾アナ:「ただ光を発しているだけじゃないんですね」

不動さん:「ないんです」