不漁続くサクラエビ 静岡・由比漁港で春漁始まる 初日の水揚げは前年並み
解禁から1日遅れの出港
白鳥衛記者:「サクラエビ漁が29日に解禁されました。初日は風の影響で中止となったが、今日は漁ができるということで、漁師のみなさんは準備を終え、出港の時間を待っています」
30日に初日となったサクラエビの春漁。記録的な不漁が続く状況に明るい兆しは見えるのか。期待と不安が交錯する中、多くの漁船が由比漁港を出発しました。
港を出てからおよそ15分後。魚群探知機でサクラエビの群れを見つけました。エビを捕らえるために網を投げ入れるチャンスは一度だけです。
漁師達:「これ引っ張るだよ~、これ引っ張るだよ~」
引き揚げた網の中には…
コロナ禍の初競り
漁をめぐっては資源保護の問題から、2019年から水揚げ量や漁の区域に制限が設けられるなど、厳しい自主規制が続いています。
今年の春漁でも駿河湾の内陸側の一部を保護区とし、漁船の数も制限しました。
初漁から一夜明けて静岡市清水区の由比漁協には、サクラエビの初競りを前に多くの関係者が集まりました。新型コロナウイルス対策のため、仲買人や関係者は検温や消毒をすませ初競りに臨みました。
初日の水揚げは去年とほぼ同じ
由比港漁業協同組合
宮原淳一 組合長:「みなさん、おはようございます。一昨日の雨の影響で水温がすごく下がっている。このえびで(今年の漁獲量を)判断するのはなかなか難しいです。本格的になる4月半ば過ぎがどのように変化していくか、我々漁業者が注意深く見守りながら操業していきたいと思います」
仲買人はエビの色や大きさをしっかり確認し入札していきます。
水揚げされたサクラエビは去年とほぼ同じ2.2トン。規制が始まる前は多い時で60トンの水揚げがありましたが、ことしも不漁の初日となりました。
相場は去年より少し高い
最高価格は8万6千円余り。15キロあたりの平均取り引き価格は8万4000円余りで去年より1万8000円ほど高くなりました。不漁が続く中でも、去年よりエビの質が良いといいます。
Q今年のサクラエビは?
仲買人:「少ないね、量的に」
「水揚げ量は前年とほとんど変わらない、相場は前年よりちょっと高い。ただ、ものは前年の春漁よりは非常に良いと思う。外食関係いろんなものが衰退しているが、季節もの、旬ものということである程度旬の相場が出たと思う」
サクラエビの春漁は6月4日まで行われるということです。