スマホ動画のコンテスト グランプリは81歳の女性クリエーター 静岡・湖西市

浜松市民 70代:「スマホはほとんど使わない。ただ電話。ほとんど使い方分からないね」

浜松市民 70代:「大したことはできない。普通の電話とLINEといろいろなもの調べたり」

 今やシニアにとっても身近なスマートフォン。使いこなすのに苦労している人も多いのでは。
そんな中、スマホで動画を作り日本一に輝いたスーパーウーマンが県内に!
でも・・・

鈴木弘子さん:「操作がなかなかわからなくて。電話機能だけで何もわからなくて」

 なんと直前まで初心者!一体どのようにグランプリになったのでしょうか?

動画コンテストのグランプリは81歳の女性

西尾梓アナウンサー:「湖西市に来ています。なんとこちらにシニア世代の動画コンテストで全国1位、グランプリを獲得した人が方がいるということなんですが一体どんな方なんでしょうか」

 やってきたのは静岡県湖西市の閑静な住宅街。

西尾梓アナ:「こんにちは」

鈴木弘子さん:「こんにちは」

西尾梓アナ:「動画コンテストでグランプリを獲得された鈴木さんですか?」

画像1: 動画コンテストのグランプリは81歳の女性

鈴木弘子さん:「そうです。鈴木弘子です」

 こちらが動画コンテストで全国1位、グランプリを獲得した鈴木弘子さん。失礼ですが、お年は?

鈴木弘子さん:「3月11日で81歳になりました」

 御年81歳。現在ご主人と2人暮らし。そばにはいつもネコのまどかが一緒です。

画像2: 動画コンテストのグランプリは81歳の女性

鈴木弘子さん81歳と鈴木芳朗さん86歳。

弘子さん:「私たちは二人と一人の家族」

芳朗さん:「会話はもともと少ないわけじゃないけど、まどかのおかげで2倍3倍になりました」

 動画コンテストでグランプリを獲得した弘子さん。でもスマホを使い始めたのは、わずか3年ほど前のことでした。

鈴木弘子さん:「操作がなかなか分からなくて。電話機能だけで何もわからなくて」

 そんな弘子さんがどうやってグランプリを獲得できたのでしょうか・・・

鈴木弘子さん グランプリへの道

今から2年前。スマホを使い始めて1年ほどたったころのこと。

鈴木弘子さん:「こういう分からないのはやっぱりスマホ教室っていうのが、そういうところに習いに行けば助かるよね」

鈴木芳郎さん:「もう一回教えてもらいたいね」

弘子さん:「二人で一緒に聞けば何とかなるかもしれない」

画像1: 鈴木弘子さん グランプリへの道

 2人が向かったのは、家の近所にあるスマートフォンの使い方教室。今や日常生活の中でスマホは必需品。シニア世代の所有率も上昇し続けていて、今や60代では8割に達しています。

静岡市民 70代:「スマホって聞いただけで最初は不安だったが、すごく教えてもらって、スマホをやると自分ができるようになったと自信が持てるようになった」

 鈴木さん夫妻も月に1度通い、ラインや写真撮影の仕方を教わっていました。通い始めて2年ほどたったある日。

ソフトバンク スマホアドバイザー
坪井秀美さん:「実はこのようなのがあります。どうですか?やってみませんか?」

芳朗さん:「先生が全部いろいろ手ほどき?」

弘子さん:「教えて下さる?」

坪井さん:「はい」

芳朗さん弘子さん:「やってみましょう」

 スマホアドバイザーの坪井さんから提案されたのは、シニア向けの情報誌などを発行する企業が主催する65歳以上を対象とした動画コンテストでした。

スマホアドバイザー
坪井秀美さん:「質問も写真撮り方や写真の編集方法の不明点の質問が多かったので、コンテストを知った時にまず鈴木さんにお伝えしようと」

画像2: 鈴木弘子さん グランプリへの道

 この時点で応募期限までは、わずか1カ月!弘子さんは、身近にいる「まどか」をテーマに決めました。夫婦で一緒に、スマートフォンでの撮影や編集に挑戦。意外にも操作は難しくなかったそうですが、大変な思いも。

鈴木芳朗さん:「編集の細かいのを全部スマホでやる。小さい画面で。だから目が30分もやっていると疲れちゃって大変だった」

弘子さん:「外へ出かける時にカメラをよく忘れる。そういうふうにまだ身に付かない」

 分からないことはアドバイザーの坪井さんに教わりながら、動画づくりを続けます。そして1カ月後…。ついに完成した作品がこちら・・・

画像3: 鈴木弘子さん グランプリへの道

 以前飼っていた初代まどかと、現在飼っている二代目まどかとの何気ない日常を描いた作品。
ナレーションも弘子さんが担当します。夫婦で協力しながら作った初めての作品。特に大きな期待をすることもなく応募しました。
 コンテストに集まったのは、全国から300点以上。ラップに挑戦する66歳の作品や、アイドルを目指すグループの活動の様子など、どれもユニークな力作ばかりです。

そして…表彰式

画像: そして…表彰式

鈴木弘子さん:「こんなことになるなんて…」

 弘子さんの動画が見事グランプリに選ばれたのです。

鈴木芳朗さん:「まさかまさかだよね」

弘子さん:「本当にそう。グランプリはまさかのまさか。当にびっくりした。もうこの年になってこんな大きな喜びは後にも先にもないだろうと思っている」

 審査員からは2匹のまどかの動きや表情をしっかりと捉えていて、愛情が伝わってきたと評価されました。

弘子さん:「何回見てもいいなと思う。自分でね。思い出と共にね。猫ちゃんに感謝だよ」

 コンテストに参加してから、鈴木さんご夫婦の心に少し変化が。

芳朗さん:「携帯のカメラはいつでも持っていける。これを知ったおかげで携帯の動画をもう少し撮り続けていきたい」

弘子さん:「(コンテスト出場の)きっかけを作ってくれたのは人との出会い。そういう芽生えというものはあるんだなと思う。自分が生きてきた道を、もう一度良かったと確信ができた」