異変…暑すぎて秋の花に『異常事態』 開花が早かったり、遅くなったり…予測しにくい今年の「コスモス」 静岡・裾野市

 9月20日は「彼岸の入り」。ただ、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉は、今年は例外となっているようです。静岡県内では20日も各地で厳しい残暑となりました。静岡市では最高気温が33.9℃で、今年78回目の真夏日を記録し、過去最多を更新しています。また、佐久間で33.3℃、三島で31.9℃など、県内19地点中16の地点で30℃以上となっています。暦の上では「秋」なのに、いまだ「夏」の出口が見えない今年。秋の風物詩でもある「アレ」にも異変が!?

2週間早く開花

堀優奈アナウンサー:「裾野市のパノラマ遊花の里に来ています。黄色やオレンジの花が奥の方までずらっと咲き誇っています。こちらの花は“キバナコスモス”という品種だそうです」

 裾野市の「パノラマ遊花の里」。およそ2万平方メートルの敷地には、コスモスの代表格である「センセーション」と、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせる「キバナコスモス」が。およそ100万本のコスモスが植えられています。

 6月上旬に種を植えたというキバナコスモス。例年は9月の中旬頃から花が咲きますが、今年は異変が…。

静岡・裾野市 農林振興課 山井真乃介さん
Q.今年のキバナコスモスの咲き具合は?
A.「今年は8月下旬頃に花をつけ始めていて、去年より2週間ほど早く成長している」

Q.2週間ほど早い理由は?
A.「たぶん太陽光が関係してるのではと考えている。やはり今年は予想以上に暑くて日射量も多いので、そういった気候的な条件もコスモスに影響してるのではないかと考えている」

成長が遅い品種も

 成長が早かった「キバナコスモス」。一方で例年この時期に見頃を迎える「センセーション」はというと…。

静岡・裾野市 農林振興課 山井真乃介さん
Q.こちらはまだ花が咲いていないですね?
A.「昨年より生育はいいが、夜もずっと暑いので、背丈はあるが花のつけ始めは遅くて、こちらはこれから気温が下がってこないと見頃が遅れることもあるので、その心配が勝つ」

 手前のほうはピンク色の花が咲いていますが、周りには花がついておらず、緑が生い茂っています。同じコスモスでも、品種によって成長に大きな違いがありました。この異常事態に、コスモス畑を訪れた人は…。

富士市民:「今年はお花が少なくて寂しい」

富士宮市民:「ほとんど毎年来ている。今年は結構伸びている。去年はこの下からきれいに富士山とコスモスを一緒に撮れたが、今年は撮れないのかな」

 秋の訪れを告げる「コスモス」も、まだ夏を感じているのかもしれません…。

「コスモスまつり」開催遅らせ

 市の担当者は、記録的な猛暑に、雨が少なくなった状況を踏まえ、久々に開催する予定のイベントについて、開催時期を遅らせるといいます。

静岡・裾野市 農林振興課 山井真乃介さん:「10月7日に『富士山すそのパノラマロードコスモスまつり』の開催予定している。やはり暑さのこともあって、まだ見頃が遅れていることが原因で、例年では9月の第3週ぐらいには開催予定だが、今年は10月の上旬という設定にはなっている」

 開花の状況が予測しにくい今年の「コスモス」。現状では10月の上旬が見頃になるということです。

静岡・裾野市 農林振興課 山井真乃介さん:「裾野市ならではの富士山をバックにして、白色やピンクなどのたくさんのコスモスを咲かせて、より多くのお客様に見てきていただけることを期待している」