中心街の飲食店3割弱が廃業、長期休業 「街中に人を戻したい」…イベントに150万円の補助 浜松市
今月上旬、浜松市の中心街であるイベントが行われました。
浜松市産業振興課 佐藤一郎担当課長:「規模は縮小して実施しましたが、天候にも恵まれたこともあり、想像以上の皆さんがお集まりいただいたという状況でした」
そのイベントは「まるたま市」と呼ばれ、浜松の中心街に様々な雑貨が集まる「雑貨の祭典」。地元商店街などでつくる実行委員会が2014年から始めたもので、年8000人もの人出があります.
新型コロナの影響で、イベントの中止が相次ぐ中、開催を後押ししたのが,浜松市が新たに始めた「コロナ対策まちなか支援事業」でした。感染症対策をした上で、中心街で行うイベントに最大150万円の補助を行います。
最大の特徴は新型コロナの影響でイベントが開催できなくなった場合にも補助が継続されることです。
浜松市産業振興課 佐藤一郎担当課長:「浜松市としては、すぐにでも街中に人を戻したいという状況の中で、先行してイベント支援をしたという形です」
90店舗中24店舗が廃業、長期休業
夜のまちも苦境に…
浜松市が人の賑わいを作り出すイベントの開催にこだわる背景には、コロナ禍で打撃をうける中心街の深刻な現状があります。
こちらは「アルコモール有楽街」。通り沿いに居酒屋やバーなど90店舗が軒を連ねます。しかし,地元の商店街振興組合が9月時点で行った調査で、このうち24店舗が廃業や長期休業していることが分かりました。
新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少したことが要因とみられています。
映里砂 松井泰樹社長:「一軒目の食事と一緒に軽く飲まれるというお客様はある程度いますが、以前のように2軒3軒とはしごして、もう一軒という人たちは、そんなに見なくなった」
こう話すのは有楽街で40年以上続く居酒屋の2代目、松井さん。今年の売り上げは去年の2割程度にとどまっています。
「食事やお酒だけでなく、楽しい時間を過ごせる街に…」
市が行う感染症対策の基準をクリアしている店を認証する制度の効果で(認証件数503件【10月15日時点】)、夜の街にも少しずつ人が戻ってきているといいますが,厳しい状況が続いています。
映里砂 松井泰樹社長:「閉店したほうが正解かなのかと、一瞬迷ってしまうけど、おいしい食事とお酒を提供しているだけではなく、そこで楽しい時間を過ごしてもらって、元気になれるようなお店、有楽街でないといけないと思う。そういった街になってほしい」