ウエディングドレスの撮影会 参加者は乳がん経験の女性たち 「大丈夫だよ、いっしょに頑張ろう」

毎年10月は乳がん検診の早期受診を推進するピンクリボン月間です。日本人女性の9人に1人が発症すると言われている、乳がんを経験した女性を応援する取り組みを取材しました。

無料でウエディングドレス撮影会

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ウエディングドレスの撮影会 参加者は乳がん経験の女性たち 「大丈夫だよ、いっしょに頑張ろう」

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乳がんを経験した女性がウエディングドレスを着て写真を撮る撮影会が9月、静岡市で開かれました。企画したのはウエディングプランナーの清水直子さんです。

清水直子さん:「コロナ禍でどうしてもブライダル業界が落ち込んでいて、なかなか結婚式を挙げることが悪になっていた時期があったんですけど、(この時期を利用して)ピンクリボンの皆さんに繋げられないかなぁっていうので考えて」

 乳がんと闘う人たちにおしゃれを通して前向きになってもらいたい。清水さんはそう考え無料の撮影会を開いたのです。

 静岡市に住む雨宮洋子さん(67)。撮影会に参加する一人です。4年前に乳がんの手術を受けています。手術の後、こんな経験をしました。

雨宮洋子さん:「温泉好きで大浴場行ってたんです。ある時おばあちゃんとお孫さんかな?という感じの2人の方がいらして、気になるんですね、傷が。何遍も見て、おばあちゃんに「おっぱいどうしたのかな?おっぱいないよ」って、そしたら「見ちゃダメ」って『悪い事したから取られたんだよ』って仰ったんですね。すごく落ち込んで」

偏見のない社会にしたい

偏見のない社会にしたい。その気持ちがイベントへの参加を後押ししたといいます。

雨宮洋子さん:「お着物と気張ったドレスとか、そういうのも全部準備してね、悲しかったね!着られなかった」

 長男の結婚式に用意した着物は、コロナで式が中止になり結局着られませんでした。今回はそのリベンジです。

Q:ドレスを着るのは何年振り?

画像: 偏見のない社会にしたい

雨宮洋子さん:「40年前の自分の披露宴以来ですね。これから若い世代の方も女性特有の病気をする世代になっていったときに、大丈夫だよ、あの話を聞いたわ、あの方の笑顔があったわと、少しでも伝えられたら私が病気になった意味もあるのかななんて」

ヘアメイクのプロの手で変身

雨宮洋子さん:「髪の毛もね、全部はげたんです。で一回も切ってないの。美容師さんにこうして頂くのって5年(ぶり)になるかな」

 夫の義仁さん。雨宮さんの闘病をずっと支えてきました。

画像1: ヘアメイクのプロの手で変身

雨宮義仁さん:「髪の毛抜けてるのが悲しそうだったよね。風呂入るたびにごそっと抜けちゃうんだよね。辛かったと思うよ。生きるか死ぬかだもんね。命助かるかどうかだから、それが優先だったからね」

義仁さん:「なんとまぁ」

洋子さん:「なんとまぁ」

義仁さん:「若返った」

 長男夫妻もこの日のために東京から駆けつけました。

雨宮洋子さん:「ありがとう!来てくれた?。本当はあなたが着るウエディングなのに」

長男 亮さん:「タキシード着なくてよかったの?」

松田和佳アナウンサー:「結婚式以来ですか?」

雨宮洋子さん:「そうです」

画像2: ヘアメイクのプロの手で変身

雨宮義仁さん:「こんなに近づくのも」

雨宮洋子さん:「近い近い!」

亮さん:「もう1人入ってます」

雨宮洋子さん:「うわー嬉しい」

長男の妻 彩乃さん:「きょう初めてお伝えしたんです!」

家族5人で記念撮影

お腹の中の初孫も含めて家族5人での記念撮影です。

清水直子さん:「やっぱりお越しいただいた表情よりも帰っていく表情のほうがすごく輝いていて、やってよかったなと、より多くの方が参加できるように来年再来年と頑張っていきたいなと思います」

画像: 家族5人で記念撮影

 人生のどん底を味わったからこそ、今前向きでいられるようになったという洋子さん。

雨宮洋子さん:「変わらないのは取った術後の右の術後の胸だけなんですね。あっ、これはまだ生きれるやん、髪は長くなっていくやん。1人じゃないよ、大丈夫だよ、一緒に頑張ろうってそういう気持ちですね。」

 誰しも無縁ではない乳がん。支援の輪が広がっています。