感謝の想いを歌に込めて…ウクライナ出身のオペラ歌手が支援感謝のコンサート 静岡・富士宮市
静岡県内で最も早く義援金受け付けを開始
響き渡るウクライナ国家。民族衣装に身を包み、歌声を披露するのは日本在住でウクライナ出身のオクサーナ・ステパニュック(44)さんです。
オクサーナさん:「ウクライナのために支援していただき、ウクライナのために応援していただき、心より感謝している。本当にありがとうございます」
15日午後、富士宮市役所でミニコンサートを開きました。オクサーナさんは、数々の国際コンクールで受賞するなど世界的なオペラ歌手です。2008年に来日しましたが、高齢の両親は今も母国で暮らしていて、避難できていない状況だと言います。傷つく故郷。両親に友人ー1日でも早く平穏な日常を。そこに集まったのは、およそ200人の市民。1階だけでなく、2階にも人だかりが…。ウクライナの国旗を片手に、それぞれ現地に思いをはせ、聴き入りました。
富士宮市では、おとといウクライナからの避難者の受け入れ態勢を確認するための会議が開かれ、生活支援に向けた準備が始まったほか、県内で最も早く義援金の受け付けを開始しました。さらに、先月には、ウクライナの子どもたちが平和を願って描いた絵「キッズ・ゲルニカ」を展示するなど、ウクライナへの思いを表明しています。その絵は、きょうの会場にも。
30分にわたり行われたコンサート。オクサーナさんの歌を聴いた市民の中には、早速募金する人の姿が…。
来場者:「テレビ見ていても、見ている方が辛くて、何とか1日でも早く日常が戻ってくれればいいなと祈るばかり」「きれいな歌声で感動した。ちょっとでも助けになればと思って(募金)した」「1日も早く終ってほしい。明るく歌っているけど、心の中はどんなだろうと思った。辛い中であんなに明るい声で歌っていただけて…聴かせていただいた」
「すべての日本人が応援しています」
その後、オクサーナさんは須藤秀忠市長のもとへ。
「センキューベリーマッチ」
富士宮市には初めて来たというオクサーナさん。市の支援に感謝を伝えると、須藤市長は「全ての日本人が応援している」と答えました。
オクサーナさん:「きょうで51日目。ほとんど寝られないし食べられないし、ウクライナのことを本当に心配している。1日でも早く平和になるように毎日祈っている。私は心から歌を届けたい」
富士宮市
須藤市長:「ロシアのウクライナ侵攻の状況は、目をそむけたくなるほど悲痛。しかし、ウクライナの皆さまには、私たち富士宮市民をはじめ、世界の人々が味方であることが少しでも伝われば幸い」
オクサーナさん:「ウクライナを応援していただいて、本当に深く心から感謝している。諦めないように毎日私も頑張っていきたい」
須藤市長「最高だったね!すばらしい歌だった。避難してくる人の受け入れもチームを作って検討しているが、それもしっかりやっていきたい」
「歌を通して母国を支えたい」。故郷の街、仲間、残された家族に届くよう、オクサーナさんは歌い続けます。