街中に緑が多い証拠？…養蜂所はビルの屋上 『はままつ街みつ』で街おこし 浜松市
浜松市北区三ケ日町にある長坂養蜂所。創業８７年の歴史を持つ、ハチミツ作りの老舗です。そのハチミツを味わえる店が、浜松市の街中にも…
須藤誠人アナウンサー：「はちみつスイーツアトリエ、失礼します、こんにちは。八重桜のはちみつ漬けだったり、色んなハチミツがあって、更にハチミツを使ったお菓子まで、もうほんとハチミツにあふれてますね。色んな商品がそろっています」
一番人気は「はちみつソフトクリーム」
長坂養蜂所 長坂善人社長
こちらは、長坂養蜂所の３代目社長、長坂善人さん。ハチミツの良さを、より多くに人に知ってもらおうと、去年３月８日、ミツバチの日にこの店をオープンしました。
須藤アナ：色んな商品が揃っているけど、中でも一番人気は？
長坂養蜂所 長坂善人社長：「一番人気はこちら。はちみつソフトクリームになります」
訪れたら、絶対に食べたい！ハチミツ入りのソフトクリーム。仕上げに、たっぷりの“追いはちみつ”をかけます。見た目にも楽しい、一番人気の「はちみつソフトクリーム」。
街中の店とコラボして新たな味を
他にも、この街中という立地を生かした味がありました。
長坂社長：「季節限定のはちみつモカソフト。（近くに）タタズミコーヒーという所があって。そちらのエスプレッソを使ったソフトクリームになっている」
抹茶味やレモン味など、これまでも様々な店とコラボしてきました。地域のつながりを大事にしたいという長坂養蜂所の思いが、形になったソフトクリームです。
須藤アナ：「すごい、もうコーンから溢れそうです、急がないと。いただきます、がぶっと。絶品。おいしいです。このハチミツのスッキリとした甘さ、ほどよくコーヒーの苦みも生かしつつ、くどくなくて、パクパクと食べられます」
ハチミツが垂れてしまいました。
須藤アナ：「ハチミツだけでもおいしいです。ほんと香り豊かで」
コロナ禍で客足が減ったこともありました。それでも３月、オープン１周年を迎え、それを記念した、新商品も。
長坂社長：「ハニークリームパイという」
須藤アナ：「おいしそう、これも」
長坂社長：「めちゃめちゃ、おいしいです」
養蜂所はビルの屋上
浜松市北区の三ケ日町にある長坂養蜂所。去年、浜松の市街地に、そのハチミツを楽しめる店を開きました。
須藤アナ：色々ある中でこれが気になりますね、『はままつ街みつ』。これなんですか？
長坂社長：「浜松の街中で取れたハチミツになります」
須藤アナ：え、この街中で？
長坂社長：「実はこの近くにミツバチがいて、養蜂所があるんですけど、よかったら行ってみますか？」
須藤アナ：是非、お願いします。本当に？
ハチミツ作りと言えば、自然豊かな場所で行うイメージですが…。店から徒歩５分ほど、到着したのはカギヤビルという建物。６０年ほど前に建てられ、１０年前にリノベーションされたそうです。
長坂社長：「４階建てのビルの屋上でやっている」
須藤アナ：色んな店が入っているビルですもんね。
長坂社長：「エレベーターがないので、巣箱を上にあげるのもすごく大変」
須藤アナ：屋上ですね。失礼します。
長坂社長：「こちら」
須藤アナ：うわ、すごい。蜂がいっぱい飛んでる。ものすごく飛んでますね。
長坂社長：「暖かくなってきているので、朝から活動を始めている」
ビルの屋上とは思えない光景です。防護服を着て近づいてみます。
須藤アナ：着替えても怖いものは怖いですね。うわすごい。ここにはびっしりのミツバチ。
長坂社長：「大体この１箱に４万匹くらい」
須藤アナ：１箱に？
長坂社長：「１箱に」
須藤アナ：この箱が何個あります？
長坂社長：「５箱ですね。」
須藤アナ：単純計算２０万匹？
長坂社長：「そうですね」
周辺の花からミツを集めて来るミツバチ。花の最盛期となり、ハチミツがたくさん取れる５月、６月に先駆けて、今月１日に設置したそうです。
長坂社長：「ここのカギヤビルから半径２kmくらいをミツバチが飛ぶので、今ちょうど浜松城公園とか、桜が咲いているので」
須藤アナ：そうですよね、きれいな桜が浜松でも見られてますもんね。
長坂社長：「桜の花の蜜も一部入っていると思う。」
須藤アナ：すごい、あ、ツヤツヤしてる。これ全部蜜ですか？
長坂社長：「全部ハチミツです。結構重い」
須藤アナ：ちょっと持ってみても？
長坂社長：「全然大丈夫です。意外に重いですよ。」
須藤アナ：ズッシリしてます。こっち側にもついてるんですか？うわー。これすごーい。
長坂社長：「一見、緑が少ないように思えても本当に街中に浜松城公園とか街路樹とか、植えてきてくれた人がいるので、こういった恵みが取れる」
須藤アナ：不思議とミツバチに慣れてきましたね、そういう話を聞いていたら。
去年の４月～６月には、この１箱で７０キロ以上のハチミツが取れたそうです。
長坂社長：「まさか街中でこんなに取れると思わなかった。三ケ日だと（１箱から）４０～５０キロしか取れない」
須藤アナ：三ケ日の方が少ない？
長坂社長：「ビックリしますよね。」
三ケ日では設置してある箱の数が多いため、１箱あたりの量は少ないそうですが、それでも街中でとれた１箱７０kgという量には驚いたといいます。長坂さんは去年、こんな話をしていました。
長坂社長（去年４月）：「これ(はままつ街みつ)を使って街中でコロナ禍で大変な飲食店に、こちらを無償で提供して、ハニーウィークのようなイベントをしたかったが、色々コロナの影響であって、それがなかなか叶わず」
街中でとれたハチミツ、その名も『街みつ』を作り丸２年。その思いがようやく形になりました。イベントの名前は、「ハチとミツのおいしい休日」。浜松の街中にあるスイーツ店、９店が参加し、オリジナルメニューを期間限定で販売しています。
長坂社長：「年が明けて１月、これくらいのタイミングなら、もしかしたらできるなと思って９店舗に声をかけたら、どこも本当に快くやっていただいて本当にありがたい」
須藤アナ：ここからすぐ味わえる所がある？
長坂社長：「はい、もう近くにもたくさんスイーツ店があるので、ぜひこの後、行ってみてください。」
須藤アナ：はい、楽しみ。
ハチミツをメインに使ったケーキ
ということでカギヤビルから徒歩３分、まずやってきたのは…
須藤アナ：「このキルフェボンもコラボしているということで、こちらのお店といえばタルトですからね、どんなコラボレーションになっているのか楽しみですね。すぐ目の前に大きく、浜松市産『浜松街みつ』のショートケーキタルトと書いてますね。美しいですね、これ。どんなスイーツになってますか」
キルフェボン浜松 中重友希店長：「普段どちらかと言ったら脇役になりがちなハチミツをメインに使ったケーキで、ハチミツの生クリームとハチミツのソースを使って仕上げている」
反響は予想を大きく超え、ハチミツの追加発注が必要なほど。お客さんからも…
愛知県民５０代：「見た目がいいのと、ハチミツというのでひかれて買った。街の中で蜂が頑張って取ってるんだなって思った。（ハチミツ）取れるんだなと思って。」
菊川市民６０代：「街中の屋上でやっていると聞いたので、それも楽しみで。(街みつプロジェクトの)取り組みって、なかなかいいことじゃないかと思う。広がっていくといいんじゃないか」
イチゴやブルーベリーの他、中にはキウイも入っているショートケーキタルト。クリームにはヨーグルトも使っていて、それが、『街みつ』とよく合うそうです。
キルフェボン浜松 中重友希店長：「本当に甘すぎないので、他のケーキとプラスアルファでも食べられると思う。ぜひぜひ皆さんに味わってもらいたい」
『街みつ』のプリン…その名も『まちりん』
参加したお店は、ＪＲ浜松駅の南側にもありました。
須藤アナ：「スノーフレークさん。プリンを販売してるみたいですね」
スノーフレーク 鈴木宏夢店長
「街みつを使ったのは『まちりん』っていうのですけど、プリンを作っています。」
『街みつ』のプリンでその名も『まちりん』。プリンの専門店ならではのこだわりを持って作ったといいます。
スノーフレーク 鈴木宏夢店長：「ちゃんとハチミツの味がガツンとくるはず。時間が無かったので、その中でも、ずっと試作して一番いいところに持ってきたつもり」
可愛いパッケージも『まちりん』のオリジナルです。
須藤アナ、試食すると…。
「いただきます。濃厚。すごい。こいー。ハチミツの香ってきますね。バニラもしっかり感じるけど、なんか邪魔しない。ハチミツって色々、化けますね」
スノーフレークは参加する９店舗のうち唯一、浜松駅の南側にあります。自分たちが加わることで、浜松の市街地全体が元気になると思い、参加を決めたそうです。
スノーフレーク 鈴木宏夢 店長
「やっぱコロナ禍になって、色んな店が占めている中、浜松の街中がどうなっているのかとか、（浜松駅の）南側ってあんまり来ることないと思うから、ちょっと歩いてほしい。結構、今日もう何店舗か回ってきていて、みたいな方々もいて、ちょっと嬉しい。ちょっとでも歩いて回ってもらえたらって長坂さんも言っていたけど、たぶん歩いてる、みんなちゃんと」
イベントは今月１７日までですが、その後も“街みつ”に、力を入れていきたいと話します。
長坂養蜂所 長坂善人社長：「今回、スイーツ編という形で一緒にやらせてもらったけど、またコロナの状況が良くなっていったら、ぜひ飲食店ともこういったイベントを一緒にやらせてもらって、より街中にたくさんの方が来て回遊して街が明るくなるようなことを今後もできたらいいなと思う」
コロナ禍で人通りが減った浜松の市街地。そんな中でとれたハチミツが、街に再び活気を運んでいきます。