橋田壽賀子さん悼む静岡・熱海市 市民に愛されたその人柄とは

4月4日に亡くなった脚本家・橋田壽賀子さん。40年以上前から橋田さんが暮らしていた静岡県熱海市でも突然の訃報に悲しみが広がっています。

画像: 橋田壽賀子さん悼む静岡・熱海市 市民に愛されたその人柄とは

 脚本家として数々の人気作品を手掛けた橋田壽賀子さんが4月4日、急性リンパ腫のため、熱海市内の自宅で亡くなりました。95歳でした。

同じ病院に通っていた夫婦は

40年以上前から熱海市を執筆の拠点にしていた橋田さん。熱海市民には橋田さんと交流を持った人がたくさんいます。
 同じ病院に通っていたという男性は…

熱海市民夫妻
夫:「行くとちょうど待合室で待っている。『どうしたの?先生』って言ったら『や~もうダメだよ』なんて言ってたからさ。だから俺その時にも言ったのよ。『先生、長生きしろよ』って言ったら『わかってるよ』ってそれっきり」
 
林輝彦アナウンサー:「いつぐらいの時ですか?」

夫:「私が最後に会ったのは、今年の2月頃かな」
夫:「旦那さんと2人で買い物していた」
妻:「よくお見かけした」
夫:「旦那さんが亡くなる前ね、旦那は背が高い人ね。いい男だったよ」

橋田さんお気に入りのメニューとは

熱海市にあるイタリアンレストランMON(もん)は橋田さんが20年以上、通い続けた馴染のお店です。

塚田寿美江さん:「何度か橋田ファミリーの方を連れて来ていただいて、こちら貸切とかで使っていただきましたね。長きにわたって石井ふく子さんとか泉ピン子様とか」

林アナ:「凄い方たちとここでお食事されていたんですね」

塚田さん:「そういう方にお会いできて、先生のおかげで、本当に気さくな先生で、控えめな先生でしたね」

 橋田さんはよくこの席で食事をしていて、いつも決まって頼むお気に入りのメニューもあったそうです。

塚田さん:「先生はかぼちゃのスープが結構気にって頂いてたみたいで、それをご注文いただいていましたね」

林アナ:「特に印象に残っている作品は?」

塚田さん:「やっぱり『渡る世間』ですよね。こまかい人の気持ちをリアルに、自分でも『あーそうか』と思うようなところだなと思いながら」

林アナ:「渡る世間を執筆していた時もよく来られてたということですか」

塚田さん:「そうですね」

林アナ:「熱海に橋田壽賀子さんが住んでいることについては」

塚田さん:「市民にとっては誇りというか、ありがたいことですよね」

行きつけの美容室でも…

林アナ:「先生は普段どの席に?」

美容室ハルヘアー
高井雅章店長:「いつもあちらの。こちらに座っていただいて」

林アナ:「ずっとそちらに?」

高井店長:「ここだけ。定番ですね。」

 こちらの美容院では、10年ほど前から橋田さんが月1回ペースで髪を切っていたと言います。

高井店長:「2月下旬ぐらいにご来店いただいたときは元気な姿だったんですけど、まさか急にそんなに早くお亡くなりになるという感じもなかったので、本当にびっくり致しました」

林アナ「その時のご様子は?」

高井店長:「特にいつもと変わりなくお元気で。いつものようにスタスタ歩いて、席について、ササっとカットして帰られるという感じでした」

林アナ:「高井店長が最も印象に残っている橋田ドラマは・・・」

高井店長:「やっぱり『おしん』ですかね。あのドラマって人間性であったり、深い耐え忍ぶとか、昭和の方の典型的な。いまの方たちに言いたいですけど、我慢する大切さっていうんですかね。それがすごい出ている作品かなって思いますね」

林アナ:「先生に伝えたいことは?」

高井店長:「あちらに行っても素敵な脚本を書いていただきたいなと感じております」

 熱海に暮らし、熱海市民に愛された橋田さん。熱海市は4月10日に橋田さんに名誉市民の称号を贈る予定でした。