塩サウナに漢方サウナ、テントサウナ…そして「聖地」も ブーム到来、サウナの魅力 静岡市
冷え込みが本格化する中、今、ブームとなっているのが、サウナです。実は静岡県内には、サウナ愛好家の中で聖地とも呼ばれている場所が…。それが、静岡市駿河区にある「サウナしきじ」です。取材した日も、平日にも関わらず多くの愛好家・サウナーが訪れていました。そこで、お客さんに聞いてみました。サウナの魅力とは!?
サウナーの聖地「サウナしきじ」
サウナー30代:「水が気持ちよかった。リフレッシュできる。混んでるのはちょっと嫌だが(サウナが)色々できてきているのがうれしい」
サウナー20代:「ほぼ週一で週末(サウナに)入っている。何も考えなくていい時間が作れる(のが魅力)。若い人から年配まで年齢層が広いのでブームが来てるんだなと感じる」
サウナー40代:「頭スッキリするから回転上がるし、睡眠も違う次の日の、やっぱりよく深く眠れて、朝スッキリ起きれて、また1日頑張ろうみたいな」
去年の流行語大賞には、サウナで心と体をリフレッシュすることを表す言葉「ととのう」がノミネートされるなど、今やサウナは全国的に注目されています。サウナしきじが聖地と呼ばれる理由の一つは、天然地下水の水風呂で“ととのう”ことができるからだといいます。
サウナしきじ 大村英晴店長:「1日200~400人来る。増えたなという実感はある」
Q.サウナは「(ブームが)来るな」と思っていた?
A.「いや、これほど多くなるとは想像していなかった」
身体を温めながら、黙って自分自身と向き合うサウナは、コロナ禍でも楽しめる健康志向の趣味として、人気が高まっているとも言われています。
サウナしきじ 大村英晴店長:「年配だけではなく、若い方にもサウナの良さを知ってもらいたい。水風呂を中心にサウナの良さを今後も伝えていけたら」
温泉施設「駿河健康ランド」 豊富な種類のサウナが
そんなサウナブームの影響は県内の温泉施設にも。今年で開業20年を迎える駿河健康ランドでは、豊富な種類のサウナが楽しめるといいます。
須藤誠人アナウンサー:「まずはこちらの定番ですね。フィンランドサウナから味わっていきたいと思います。設定温度は86度と書いてあります。では行きますよ、入っていきます」
「うわー、すごい。熱気があふれてますね。結構広いです。サウナストーンを囲むように席がずらりと並んでいて、ゆったりと楽しめそうです。ではせっかくなので、より熱さを感じる上の段で体感したいと思います。うわ、やっぱり一段上がっただけでもだいぶ熱さが違う。ビリビリきますね」
フィンランドが発祥と言われているサウナ。高温の空間で発汗作用を高めることで、新陳代謝が促進されるといいます。
須藤アナ:「サウナに入って1分、早くも大粒の汗が体から噴き出してきました。んー、いい熱さですね」
カラッとした熱さだという、このサウナ。入って数分で、顔から汗がしたたり落ちてきました。
カメラマン:普段はどれくらい入っている?
須藤アナ:「そうですね、8分くらいは入っている。長いと10分、今ようやく5分経つ。まだ入りますよ」
カメラマン:ちょっとそろそろカメラがヤバいので、この熱さ。
須藤アナ:「ちょっとどこ行くんですか。ちょっと待ってください」
あとそのカメラでお願い。
須藤アナ:「どこ行っちゃうんですか、もう出ちゃう? 1人でサウナと向き合う。でもこれ一人でね、自分との戦いですから…本当に行っちゃった」
カメラマンはサウナから出てしまいました。
100度に迫る温度にサウナーの須藤アナは…
100度にも迫る、その温度。5分を超えるとサウナーの須藤さんもこの表情です。
須藤アナ:「いい汗が出てます。大粒、大玉ですね。毛穴から大玉の汗が湧き出るように出てきています。」
入ってから10分―
「(黙々と水風呂へ…)。」
火照った体を、今度は一気に冷やし、肌を引き締めます。
須藤アナ:「ふー、しまったー。じゃあちょっと外気浴をしてきます」
熱いサウナから、冷たい水風呂に入り、外で休憩する。これを何回も繰り返すことで満足感や幸福感を得る、それが「ととのう」です。
駿河健康ランド 橘田翔主任:「この露天風呂で海風が当たることによって外気浴もできるので、サウナには欠かせない“ととのう”という現象に欠かせないものがここにはある」
9種類の漢方使用の「漢方サウナ」
ほかの施設との差別化を図るために、こんなサウナも。
須藤アナ:漢方サウナですか?
駿河健康ランド 橘田翔主任:「はい、漢方サウナですね。9種類の漢方を使用していて、ゆっくりと汗をかくことができる。他のサウナとはちょっと違って低温で汗をかくことができるので、漢方のエキスを取り入れながら汗をかくことができる」
須藤アナ:「では、じっくりと温まってきたいと思います。行ってきます。先ほどまでと比べてそこまで熱さは感じない。9種類の漢方が書いてある。カンゾウ・トウキ・ケイヒ・ヨモギ・サンザ・センキュウ・チンピ・ハッカ・ハッカクコウ。本当に多いですね。ここにその9種類の漢方が入っている。なんか本当に内側からポカポカと、もうすでに温まってきている気がします」
設定温度は74度。岩盤浴のように横になって温まるのが、ここの漢方サウナの特徴です。
須藤アナ:「仕事にならなくなりますよ、寝ちゃう」
ほのかに香る漢方のにおいと、熱すぎない温度で、心地よくリラックスしながら汗をかきます。
須藤アナ:「内側からじっくり温まりました。芯から冷える今の時期にほんとピッタリですね」
体に塩を塗り込み「塩サウナ」
一味違うサウナは他にも…。
須藤アナ:「続いて入るのが、この塩サウナです。もう入り口前からかなりムシムシしているような感じがします。うおーすごい、もうミスト。ムシムシしてますね。そしてこれが、塩サウナの塩です。これを身体に塗り込んで、このサウナに入っていくということです」
塩を体に塗り込んだ須藤アナ…。
須藤アナ:これで大丈夫ですか?
駿河健康ランド 橘田翔主任:「全身塗っていただいて大丈夫です」
須藤アナ:大丈夫でしょうか?
橘田主任:「はい大丈夫です。」
須藤アナ:これでどんな効果が期待できますか?
橘田主任:「塩を塗ったことによって、発汗作用と毛穴に詰まった油や汚れを分解してくれて洗い流した後ツルツルになります。」
須藤アナ:ここ何分くらいがオススメ?
橘田主任:「大体10分前後」
座ってみると、早速…。
須藤アナ:「早い。塩が流れてる。もう汗ですもんこれ」
設定温度は40度とこの施設のサウナで最も低いですが、湿度がとにかく高く、次から次へと滝のような汗が流れ出ます。
須藤アナ:
「本当に蒸気がすごい。ビッショビショです」
「よし、いい汗かきました。」
塩サウナの後は水風呂ではなくシャワー。塩と汗を洗い流して、サッパリ、ととのいました。
駿河健康ランド 橘田翔主任::「非常にありがたいことで、サウナーというワードが生まれた通りに、マナーを守っていただいて利用してくれる方が前よりも増えたように感じる。友達同士でしゃべるより、自分自身で集中できる場所というのが元々のテイストだったので、このコロナ禍と一致して相乗効果になっているのかな」
ちなみに、駿河健康ランドには他にも、104度の高温サウナに、ミストサウナまで。さらに売店では、このサウナブームに乗っかって、1年前からこんなものも置いています。
サウナハットも…
駿河健康ランド 橘田翔主任:「こちらがサウナグッズです。」
須藤アナ:サウナハット。どういう効果がある?
橘田主任:「どうしてもサウナの中だと熱い空気が上に上がっていくので、頭の方が熱くなりやすい。なのでこれをかぶることによって、のぼせ防止になる。女性もサウナだと髪が乾燥してしまうので、パサつきの予防としても、こういったものをかぶって入る方も多い。ちょっとブームに便乗して色々なグッズを増やしていきたい」
注目が集まるサウナ、県内には、オリジナルのサウナを作ってしまう強者も!
テントのサウナ 「サウナ ミーサ」
緑豊かな山々に囲まれた古民家。一見すると料亭のような佇まいですが、中からはモクモクと白い湯気が立ち上っています。
去年10月にオープンした「サウナ ミーサ」。こちらのサウナの特徴はテントです。
sauna MYSA 中井俊彦代表
「テントサウナは基本アウトドアでキャンプしながら、自分だけのオンリーワンサウナとして、ヘビーサウナーの人たちが自分で(サウナを)やりたくなっちゃう。だったらちゃんとした水風呂を設けたテントサウナ施設ってないよねというところで、作っちゃいました」
オーナーの中井さんもヘビーサウナー。サウナ歴は8年で、今も月8回以上サウナに通っているといいます。そんな中井さんの作ったテントサウナ、体験させてもらいました。
須藤アナ:「失礼します、うわ、すごいもう熱い空気が! わー、意外と広い!ゆったりとした空間に、椅子もたくさん並んでますね。そして2段になってる! これぐらい広々とした空間ですね」
テント内に置かれているのは薪ストーブ。この熱によって中の温度が80度から90度ほどに保たれています。そして、このサウナで欠かせないのが…。
蒸気で発汗促し…
sauna MYSA 中井俊彦代表:「これがロウリュ用のサウナストーンです。ここの石が熱されて、水をかけることによってこれをロウリュというが、ここから蒸気が出て、さらに発汗する」
たしかに熱い空気が流れ始めました。
ロウリュとは熱した石に水をかけて水蒸気を発生させ、サウナ内の温度を一気に上げる入浴法。水もただの水ではありません。「ヴィヒタ」と呼ばれる白樺の小枝の束を浸したものを使います。水蒸気と共に木の香りも広がるという本場フィンランド仕様。これによって、テント内はどんどん暑くなっていき…。
須藤アナ:「あー!すごい!あー(声にならない)」
数分後には身体中から大量の汗が。ロウリュをすることによりテント内の温度は一時的に95度近くまで上がることもあるそうです。
身体を冷やすのは屋外にある水風呂。もちろん「ととのう」のも大自然の中でゆったりと。この心地よさを多くの人に広めたいといいます。
sauna MYSA 中井俊彦代表
本当にリラックスと安らぎと心のケアまではいかないけど、サウナってそんな感じじゃないですか。本当にビギナーから、ミドルの人もそうだし、ヘビーの人も楽しめるような空間にはしたいな。
全国から注目される聖地があるだけでなく、温泉施設も力を入れるなど、目が離せない県内のサウナ事情。ブームの背景には、サウナーたちの熱い情熱がこもっていました。
(1月15日放送)