費用1100万円 所有者が分からない大鳥居の撤去が始まり、住民複雑「さみしい」「感謝」 静岡市
所有者が分からず、老朽化が問題となっている大鳥居の撤去作業が昨夜、始まりました。地元のシンボルとして45年。静岡市が強制的に撤去する代執行です。
JRや静岡鉄道の草薙駅近くにそびえたつ高さ12メートルの鳥居。今から45年前の1975年につくられましたが、所有者がわかっていません。老朽化が進んで鳥居の一部が壊れるなど、安全面に問題があることから、静岡市が所有者の代わりに工事を行う「代執行」に踏み切りました。
静岡市 池谷誠建設局次長兼土木部長:「現在の時刻は午後9時30分です。ただいまから、県道静岡草薙清水線の鳥居1墓と石碑2墓について、代執行による除去工事を行います」
昨夜9時半から始まった初日の作業は、日付をまたぎ、けさ6時まで続きました。地元のシンボルとなっていた大鳥居。最後の姿を目に焼き付けようと、多くの住民が集まりました。
近所の住民(50代):「さみしいです。家の説明とかするときに鳥居をくぐって一つ目の角を曲がってとか説明するので」
クレーン車を使って鳥居上段の一部を切り取り、地上に降ろします。鳥居と石碑の撤去、さらに、道路の修繕を合わせた費用は1100万円に上ります。工事後に所有者がわかった場合は、市が費用を請求するということです。
地元の自治会長も作業を見守りました。
草薙西自治会 花崎年員会長:「さみしい気持ちもあるが、地域住民が上を向いて歩かなくていいという安心感がある。非常に感謝してます。行政には」
市の担当者:「長年、地域のみなさんに愛されてきたシンボル的存在なので、なんとか撤去した後のことを考えていきたいと思っています。ただ、鳥居は老朽化が進んでいて、これだけの大きな建造物ですので、撤去して処分するしかないと考えています」
工事は18日まで続き、期間中は午後9時から翌日の午前6時まで周辺の道路で交通規制が行われます。