「9人のこどもがおうちに向かう途中、津波に…」静岡市のこども園で絵本読み聞かせ 3・11の教訓を後世に
静岡市のこども園で、実話を基にした絵本の読み聞かせが行われました。
「あの日ママがお迎えにきた60人の子どものうち、9人の子どもがおうちに向かう途中、津波に飲まれてしまった」
午前、静岡市清水区の横砂こども園で行われた絵本の読み聞かせ。「あの日ー おおつち保育園3・11」という絵本です。舞台は、岩手県の大槌保育園。描かれているのは実際の出来事です。大槌保育園では、地震のあと保護者に引き渡した園児9人が津波の犠牲になりました。
「さえちゃんにも 会いたいよ、会いたい…怖かったよ。」
絵本には友達が犠牲になったことを受け止められずにいた子どもの叫びが描かれています。そんな中、別の子どもからは…。
「オレたちが ないてたら てんごくのおともだちも なくんだよ。 オレたちがわらってると てんごくのおともだちも わらうんだよ」
最後に、園長先生が子どもたちに語りかけます。
「思い出した方が良い。口に出した方が良い。怖かったこと、つらかったこと、 そしていっぱいいっぱい泣いて、泣いた分だけ何度でも何度でも言い聞かせればいいんだから」
この絵本は静岡市の幼稚園教諭らによる「静岡うみねこの会」が大槌保育園で起こった事実を後世に伝えるため8年前に制作。県内各地で読み聞かせを行っています。絵本を聞いた園児は…。
園児:Q どうだった?「怖かった。」
Q 津波がきたらどこに逃げる?「自治会館、3階」
横砂こども園
山根洋園長:「この子たちの命を守るために私たち大人ができることは何なのか、改めてまた職員と考えていきたいと思いました」