【あの現場その後】外国人観光客が殺到「夢の大橋」…車道の真ん中で富士山バックに写真撮影 国交省も対策に着手 静岡・富士市

 朝から多くの外国人観光客が訪れるという「富士山夢の大橋」。15日の朝、再び現地を取材しました。

片山恵介ディレクター(午前6時):「外国人に人気というスポットなんですが、今は人が一人もいません」

 午前6時すぎ。静けさを保つ現場。するとその30分後のことでした。

午前8時半には…

片山恵介ディレクター(午前6時半):「午前6時半です。外国人観光客と思われる方が写真撮影をしています」

 韓国人のカップルが訪れ、階段で撮影を開始しました。その後、続々と観光客が訪れはじめ、午前8時半にはご覧の状態に。

沼津市から:「私の奥さん中国人なんですけど、中国でもとても有名で、中国のSNSでかなり有名になっている」

沼津市から(中国出身):「すごいきれい」

岐阜から来たインドネシア人:「最近、TikTokで静岡の富士山夢の大橋が投稿されていて、(写真を)撮るために私たちはここに来た。本当にすごくきれい。今までビデオや写真だけ見て、写真とは違うなって、実際に見る方がすごくきれい」

 通常、富士山がくっきりと見える時間帯は朝が多いため、澄んだ富士山を撮ろうと市外から観光客が殺到しているようです。富士市ではこれまでに駐車場や看板の設置をするなどの対策をしていますが、予想を上回る人が訪れているといいます。

迷惑行為に地元住民は…

 さらなる対策としてこの日、新たな動きが…

 国道である「夢の大橋」。国土交通省は15日、橋の上に置いていた駐車禁止のためのパイロンをゴム製の棒に変える工事を行いました。ところが、“監視の目”があったにもかかわらず、立ち入り禁止の中央分離帯で撮影する人は散見されました。危険な立ち入りやゴミのポイ捨てなど、迷惑行為が発生している現状に、地元住民からは…。

ゴミ拾いをする地元住民:「日本人の感覚と違うかと思うので、ちょっと目に余るものがあった」

Q.夢の大橋が海外で有名になって、たくさん外国の方が来ることは?

A.「光栄です。(地域が)活性化できれば」

別のビューポイントでは

 市内の至るところで富士山を望むことができる富士市。「富士山ビューポイント」という撮影ポイントを公式に発信していますが、他の場所には人は来ていないのでしょうか?

 「夢の大橋」からほど近い場所にも「ビューポイント」がありました。

 目の前に広がる雄大な富士山。まるで独り占めしているかのような気分を味わえるこの場所は、冨士市役所の屋上です。この日婚姻届を提出したというカップルが訪れていました。

婚姻届を提出(夫30代/妻20代)
「富士山がきれいに見えるかなと思って、結婚するっていうのもあるんですけど天気も良くて富士山もきれいで本当に良かった」

 絶景をバックに写真を撮ることがきるこの場所。ただ、「ビューポイント」に指定されていない「夢の大橋」に比べると来訪者が少ないのが現状です。

静岡・富士市交流観光課 村松岳典課長:「富士市は富士山のすぐ南側の街なので、これからもう少ししっかりPRして、夢の大橋だけじゃなくて、富士市にはいっぱいきれいな場所があることを全国全世界の人に知ってもらいたい」

 富士市内では、これまでにも大渕地区の茶畑や、浮島地区の期間限定の看板などに観光客が殺到。いずれもSNSで話題になった富士山撮影スポットです。市ではSNSを駆使して「魅力」と「マナー」を広げていくことが課題だとしています。

静岡・富士市交流観光課 村松岳典課長:「夢の大橋が世界中に発信されることは、富士市にとしてはすごい喜ばしいこと。ただし、周辺に住む方は普通の生活道路として使われている場所なので、来る方も周辺に住んでいる方もみんなが幸せになるような何か良い方法を探しながらPRしていきたい」

国交省も対策検討

 富士山夢の大橋をめぐるマナー問題。道路を管理する国土交通省は今後、中央分離帯への対策も検討しているといいます。国土交通省の担当者は「本来、人が立ち入る場所ではないので、何らかの対策をしなければいけないと話をしていて、柵の設置を検討しているところです」と話しています。