音楽を使った脳活体操やリハビリが人気 社会的孤立の予防にも
高齢化が進む中元気に健康で過ごすために音楽を使った脳活やリハビリが人気を集めています。
響き渡る音色。
ピアノを弾いてるのは…
なんと、全員が高齢者です。
和田佳代子記者
「ちょうちょ~。楽譜を目で見て、両手を別々に動かすことで脳の活性化が期待できるということです」
60歳以上の人を対象に富士市で開かれた
「ピアノde脳活」。
ピアノは楽譜を見ながら、両手の指を動かすなど、2つ以上のことを同時に行うことで、脳内の血流を活性化させ脳トレや認知症予防に効果があると言われています。
甲賀病院 脳神経外科 根元琢磨医師
「楽器を演奏することによって、大きくその手足を動かすことで、ある一定の運動効果、リハビリ効果を得られるんじゃないかっていうことが期待できるかなと思います」
今回の体験会は同じ年代の人と一緒にグループで楽しく取り組むことがコンセプト。
参加者は定員の倍以上となる104人が集まりました。
これは脳活体操。
音楽に合わせて、右手と左手を決められた動きで交互に動かしていきますが…
日本ピアノレスナー アカデミー 望月玲子代表理事
「前がグーって言ったじゃないですか。誰ですかパー出してる人はここから脳トレが始まるんです」
参加者の多くが初心者のため、たっぷりと指の体操をしてから鍵盤に触りますが…。
片手での演奏とは言え、視線は楽譜と鍵盤の往復で大忙し…。
84歳男性
「ちょっと難しいこれ」
76歳女性
「あ、違った逆になっちゃった」
まさしく脳トレのように、悪戦苦闘しながらも、
参加者はなんとか1曲弾き終えました。
富士市84歳男性
「いやぁ難しくて初めからやってみます挑戦してみます。自分の低い男のキーで歌って弾けるようになったらい
いなと思ってる」
76歳 富士市
「私が子供の時代ってお金のある良いお家の子供しか(ピアノを)習えなかった。うちは習えなかった方だったので、社会人になったらやりたいという気持ちがずっとあった。こっから先が最後の楽しみだと」
一方、焼津市にあるリハビリ施設の現場でも「音楽療法」が広がりをみせています。
焼津市の施設で3年間リハビリを続けている酒井徳枝さん。
この曲は酒井さん自身が作詞作曲しました。
酒井徳枝さん
「大勢の先生のリレーでこうして生きていくこと3年目を迎えた。これからももう少し生かしてもらいたい」
他にもこちらでは週一回音楽療法士を招いて、楽器を鳴らすリハビリを取り入れています。
音楽療法士 村松あずささん
「みんなで音楽を作った達成感とか、難しいことに挑戦する気持ち。それを味わっていただけたらなと。そして、生き甲斐とか生きる意欲とか、頑張る力になるといいなと思ってやってます。」
高齢者となってからも先は長い。
人生100年時代。
音楽でつながるコミュニティは、高齢者の社会的孤立の予防にもなるようです。
甲賀病院脳神経外科 根元琢磨医師
「引きこもってしまうと認知面に関しても、身体的な機能に関しても、やっぱり一気に低下してしまいますので、社会の一員であるっていうことを認識して外に出るっていうことが、非常に大事なんじゃないかなというふうに思います。」