【隠れスポット】22年間で350種2000株に…民宿旅館の女将が手掛けた『入場無料』のバラ園 静岡・伊豆の国市

 一面に広がるポピーに、鮮やかなピンク色に咲き誇るサツキ。静岡県内には“花の名所”が数多く点在していますが、今、密かに注目を集めている“隠れスポット”があるんです。

画像1: 【隠れスポット】22年間で350種2000株に…民宿旅館の女将が手掛けた『入場無料』のバラ園 静岡・伊豆の国市
画像2: 【隠れスポット】22年間で350種2000株に…民宿旅館の女将が手掛けた『入場無料』のバラ園 静岡・伊豆の国市

沼津市から:「去年、(知人がここを)教えてくださって、それで今回このお友達(を連れてきた)」
伊豆市から:「連れてきていただきました」

1300平方メートルのバラ園

画像1: 1300平方メートルのバラ園

 “口コミ”で広がっているという場所は、県東部、伊豆の国市にあります。韮山反射炉の近く、伊豆の国市の「民宿旅館 一句石」。宿の向かいに広がっているのが、1300平方メートルにもわたるバラ園です。入場は無料。誰でも気軽にバラを楽しめます。

画像2: 1300平方メートルのバラ園

民宿旅館「一句石」 小林一世先代女将:「良い香り」

 この“密かなバラの名所”を手掛けたのが、旅館の先代の女将、小林一世さんです。

22年前に一人で始めたバラ園…いまでは350種2000株

画像1: 22年前に一人で始めたバラ園…いまでは350種2000株

民宿旅館「一句石」 小林一世先代女将:「この新雪というバラが、一番最初に私が植えたバラです。可愛いでしょ。お店で売っていて、白で綺麗だなと思ってこれを買ったんですよね。つるバラだったのでこういうアーチにして、ずっと上を見上げても咲いている」

 22年前、たったひとりで始めたバラ園。年々規模が大きくなり、現在は他の従業員などの力も借りて手入れをしているといいます。今では園内に約350種、2000株の色鮮やかなバラが咲き誇り、ほのかな甘い香りに包まれています。

 その美しさが口コミで広がり、年々訪れる人の数が増加。今では連日各地から観光客らが足を運ぶ人気の場所となりました。

画像2: 22年前に一人で始めたバラ園…いまでは350種2000株

伊豆市から:「お花を撮るのが好きで(来た)。手入れが大変だろうなと思う。自分ではなかなかできないから、すごく楽しませていただいた」

伊豆市から:「きれいきれい。大好きだからお花は。だいたい毎年来ている。益々すごい良くなっている、すごいたくさん種類もあって」

沼津市から:「こんな素敵なところないと思います。これをお金を取らないでするということは、一句石の女将さんは見たことないですけど、それは心の優しい大きな人だろうなと、一回見たいいなと思っている。ありえないことですよね。」

沼津市から:「誘っていただいたから、どんなところかしらと思って、無料って言うから、どんなところかしらと思ったんだけど、今、道を迷いながらたどりついたらいい香り。すばらしいです」

お気に入りはゴールドバニー

 来場者も大満足なバラ園を手作りしてしまった小林さん。特に気に入っているバラがあるそうです。

画像: お気に入りはゴールドバニー

民宿旅館「一句石」 小林一世先代女将:「これがゴールドバニーです。つるバラで、こういう風に這わせると花首は上の方に上がってくるので、結構しっかりとした枝がいっぱい出ていますね。黄色のバラってなかなか挿し木がつかないんですよ。あまりつかないので、がっかりしたんだけど、去年は偶然挿し木がつきました。可愛いです。みんな可愛いですよ」

「挿し木」で増やし…

 「挿し木」とは、株の一部を切り取り、根を張らせて増やしていくこと。こうした1つ1つの積み重ねで2000株のバラ園が成り立っています。

民宿旅館「一句石」 小林一世先代女将:「次から次へと挿し木で株がだんだん増えて、こんな大きさになっちゃいました。(手入れが)苦労であっても、それが楽しい。その日その日によって、花の色とか形とか変わっていくっていう変わり方がすごく愛おしいというか可愛いです」

 バラ園をここまでにするのには、多くの時間と手間をかけてきましたが、無料で開放しているのには、“ある思い”があるといいます。

民宿旅館「一句石」 小林一世先代女将:「お世話になっている人たちへの恩返しをしたい。時間制限なく、この場所でくつろいでいただく。お金をいただくとかは一切考えていなくて、私の趣味を喜んで見ていただくということが私の生きがいでもあるので、それをこれからもずっと最後まで貫き通したいと思います。皆さんに喜んでもらえたということが一番うれしいです」

今度は「アジサイ園」も

 今年は暖かい影響で県内でも早めの見ごろを迎えているバラ。GW期間中を含め、多くの人がその可憐さを楽しんでいましたが、女将さんのバラ園もまた、訪れる人を楽しませていました。

 そんなバラ園の隅のほうに、なぜかアジサイも。

画像: 今度は「アジサイ園」も

民宿旅館「一句石」 小林一世先代女将::「今度はアジサイ園をこの裏の方にやりたいと思っています。期間的に5月~6月とか2カ月間ぐらい楽しめるので、バラだけだと、1カ月間ぐらいじゃちょっと寂しいかな。あともう少し皆さんが楽しんでいただけるようなアジサイ園を目指してこれから頑張ります」

 口コミで広がった隠れたバラの名所。今度はアジサイの名所としても“噂”が広がっていくかもしれません。