東海大学海洋科学博物館31日が有料公開最終日 1970年の開館以来延べ1900万人が訪れた「三保の水族館」 静岡市清水区
Q)きょう何を見るのが楽しみ?
兵庫県からの小2男子:
「何おるのかわからへん」
長野県の小4男子:
「来るの初めて。長野県は海に接していないので、海の生物をいっぱい見てみたいです」
こどもたちはワクワク、でも親たちは…
長野県からの母:
「さみしくて。リュウグウノツカイの標本と、大きな水槽の2つがすごく印象的」
県内から母:
「大きな水槽でサメが泳いでいるようなところがすごく印象に残っている。
閉まる前に子どもと来れたらと思って、きょう来れてよかった」
各務未来記者:
「あす有料公開が終了となる海洋博物館。入館から子ども連れなど多くの来場者が訪れています」
静岡市清水区三保の「東海大学海洋科学博物館」は、1970年の開館から53年、隣接する「自然史博物館」と合わせて延べ1900万人に愛されてきました。
有料での一般公開は31日まで。
5月からは予約制の無料公開となります。
その理由は、設備の老朽化です。
東海大学海洋科学博物館 学芸員・手塚覚夫さん:
「設備もだいぶ老朽化してきて、メンテナンスや補修にとてもたくさんのお金がかかる。今は回っているが、ここから先、ずっとこの状態が維持できるのか難しくなってきたので、有料入館終了という運びになった」
半世紀の「時」の流れを表すかのように、表面がはがれ落ちた配管。
海水を使っていることから金属部分もさびやすく、そこに、燃料費の高騰なども追い打ちをかけているということです。
三保の水族館の愛称で親しまれてきたこの場所には、およそ400種類5000匹の生き物が飼育、展示されています。
清水区由比でとれた深海魚「リュウグウノツカイ」の標本や、生きた化石とも呼ばれる深海のサメ「ラブカ」など、希少な魚が見られるのも特徴ですが…中でも、一番の目玉は高さ6mの大水槽です。
親子連れ:
子「みて、あそこー」
母「あ、すごーい」 子「死んでるみたいだけど」
母「サメ生きてるよ、休んでるんじゃない?」子「さめー」
水槽のヌシのごとく、堂々とした姿を見せるサメや 群れをつくって泳ぐアジなど、迫力満点の様子には、大人もこの様子。
この博物館、過去には・・・
上皇陛下 2006年:
「カツオの方はどうですか」
魚類学者でもある、上皇陛下です。
自ら担当者へ質問を投げかけるなど、ご興味を持たれた様子で魚たちを見つめていました。
今のこども:
「見て、大きい!」
県内から 70代女性:
「きょうは本当、思い出に浸りながら回ってる。ここであんなことあったなとか…」
こちらの女性は、子どもや孫と一緒に40年以上前から訪れているといいます。
思い出の場所を教えてもらいました。
県内から 70代女性:
「この中にもぐって、そこに顔をだしてもらって写真を撮る。そういう写真が残っている。この中にスポっと入っていた子が、今はこんなに大きくなっている。いずれにしても寂しいです」
博物館には、日本で見られるクマノミの仲間6種を含む世界各地のクマノミがおよそ20種展示されています。
1977年には、世界で初めてカクレクマノミの繁殖に成功。
2階では、飼育されている稚魚を見ることができます。
ただ、この稚魚のスペースを除いて2階部分には今後入れなくなります。
自然史博物館
そして、恐竜が出迎える自然史博物館。
こちらはあすで完全閉館となります。
東京から:
「最後に見ておきたいなと思って、子どもに見せられたのがよかった」
東京から:
「見てみるとすごいなと圧巻」
博物館とともに歩んできた店も寂しさをにじませます。
店主 「もうショックですね。50年近くやってきたので、仕方ない」
主な客は博物館への観光客、今後の営業は厳しくなると感じているそうですが、できる限り店を続けていきたいと語ります。
店主:
「みんな元気なのでできる限り続けたいけど、どうなるもんかね」