医師のタマゴは現れるのか 縫合や腹腔鏡手術の体験も 静岡市の中学校で現役医師による特別授業

医師不足を解消へ。未来の医療の担い手を育てようと、医師が中学校で特別授業を行いました。生徒たちも実際の器具を使って医療技術に挑戦です。

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医師のタマゴは現れるのか 縫合や腹腔鏡手術の体験も 静岡市の中学校で現役医師による特別授業

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<実習風景>
講師:「結構難しいでしょ。自分の目で見るのとモニター見てやるのと全然違うから」
生徒:「めっちゃムズイ。つかむのが大変です」

 モニターを見ながら手術道具を動かす、腹腔鏡手術の体験。生徒たちが懸命に取り組んでいるのは、実際に現場の医師もやっているという、手術のトレーニングです。

 この特別授業は、未来の地域医療を担う人材を育てようと、17日、理系の中高一貫校・静岡北中学校で開かれました。

<実習風景>
講師:「このモニター見ると全然奥行き感が…」
生徒:「あっ、きたきた」
講師:「うまい うまい あっ、この丸いのつかんだ?」
生徒:「はい」
講師:「やるなー うまいうまいうまい」

和田悠太さん(中3):「筋肉とかめっちゃ角度がついて難しいです。丸いものとかもつかみにくくて、あと距離感もつかめなくて、それを淡々とやり遂げる医者はすごいと思います」

 この特別授業の講師を務めたのは、静岡県医師会の小林利彦副会長や浜松医科大学付属病院の医師ら。まず最初に、医療現場の現状や、やりがいなどが語られました。

静岡県医師会 
小林利彦副会長:「医療って1人で成り立たないんですよ。医師・看護師・薬剤師・栄養士、あらゆる人たちがチームになって医療って展開されています。色んな形で皆さんがこれから、もともと持っていた夢を、なんとか生かしていっていただきたいと思います」

 厚生労働省によりますと、静岡県内の人口10万人あたりの医師の数は全国40位。医療の世界を目指しても大学進学を機に静岡県外に出る人も多いなど医療従事者の確保は喫緊の課題です。

 授業では、さまざまな医療技術を生徒たちが体験しました。こちらでは、医療用の針や糸で、傷口に見立てたシリコンを縫い合わせています。

<実習風景>
講師:「この奥の糸をぐるって回して、またつかんで、つかんだら今度は左。そうそうそう。手前ね。はいOK」
生徒:「あー、結べた」

中田百合子さん(中3):「結ぶところとか、糸を通す場所とかが細かく何ミリ単位になってくるので大変だなと思いました(医師は)速く、かつ丁寧にというところがすごい職人技だなと思いました」

貴重な体験を通して、生徒たちも将来を考えるきっかけになったようです。医師のタマゴは現れてくれるでしょうか。

中田百合子さん(中3):「生物系の何かになりたいなと、でも医者は本当にそれはそれでかっこいいなと思います。あとは学力をつけて、頑張らないとと思います」

静岡県医師会 
小林利彦副会長:「中学の時点でですね、色んな大人も見ていただきたいというのがあります。色んな社会を見ていただきたい。そういう中で、医療とか介護とか福祉の世界のすばらしさというものに気づいていただいて、自分がそういった道に進んでいきたいという思いを強くしていただくというのが、我々の非常に大きな願いです」