アニメのシーンがあちこちに…女子高生キャンパー「ゆるキャン△」の聖地にファン続々 酒店「客足3-4倍」 浜松市

 アニメや漫画の舞台となった場所。いわゆる「聖地」。実は静岡県内にもたくさんの「聖地」があり、いま、多くのファンが訪れているんです。

画像: アニメのシーンがあちこちに…女子高生キャンパー「ゆるキャン△」の聖地にファン続々 酒店「客足3-4倍」 浜松市

 去年12月、一般社団法人「アニメツーリズム協会」が「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を2年ぶりに発表。去年、公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の聖地として、浜松市が新たに認定されました。

 実は、浜松市には、別の作品でも新たに聖地として認定された場所が…。

「ゆるキャン△」聖地の舘山寺

北川彩アナウンサー:「浜松の観光名所、舘山寺に来ています。こちらには、コロナ禍ではやったキャンプを題材にしたアニメの聖地があるということなんです」

画像1: 「ゆるキャン△」聖地の舘山寺

 女子高校生たちがキャンプをしながら、ゆるやかに日常生活を送る様子を描いた人気作「ゆるキャン△」。

「舘山寺温泉」と書かれたこの看板やこちらのウナギ屋。そして、こっちの看板も。すべて、アニメや漫画の中に登場しています。

画像2: 「ゆるキャン△」聖地の舘山寺

 創業明治24年のこちらの酒屋では、大きな変化があったといいます。

北川アナ:アニメの反響はどうですか?

お店女性:「ものすごい反響です。それまでゆるキャン△知らなかったので、こんなにお客さんがいらっしゃるとは、本当に驚いてます」

北川アナ:店内見てみても、ここにゆるキャン△のロケ地マップありますね。ちょっと見てみてもいいですか。あーなるほど、ゆるキャン△に出てきた浜松、浜名湖エリアが書かれている

 お客さんの中にはこんなプレゼントを持ってきてくれた人も。

北川アナ:大好きな方が来られているということですから、かなり熱い方が多いんじゃないですか?

お店女性:熱い方が多かったです。中にはご自分でファイルを作ってきてくださってですね。

北川アナ:えー、これなんですか

お店女性:「これはゆるキャン△のアニメを全部1ページずつ、ファイルしたものを持ってきてくださって、お店の前にある看板、門前通りの看板ですとか」

北川アナ:あー、本当だ。一緒ですね

 アニメをきっかけに客足も急増したといいます。

北川アナ:たとえば、どれくらい変化がありましたか?

お店女性:「3、4倍あったと思いますね」

画像3: 「ゆるキャン△」聖地の舘山寺

専門家に聞く「聖地効果」 

 アニメの舞台となった場所に観光客が訪れる経済効果とは。専門家に聞きました。

静岡英和学院大学人間社会学部 毛利康秀准教授:「ゆるキャン△の場合も、5億円から6億円の支出があるのではないかと推定されます。まずは、ファンの方の消費支出ですね、お金が地元に落ちるということで地元が潤うという効果があります。コンテンツツーリズム、作者の方、それから制作会社の方、ファンの人たち、そして舞台となった地元の人たち、みんなが幸せになれるシステムだと思います」

 他にもこんなメリットが。

画像: 専門家に聞く「聖地効果」

毛利康秀准教授:「まず、作品が好きになって、舞台となった場所を訪れる。すると、舞台となった場所もファンになってしまうというのが多いです。ゆるキャン△の場合も、静岡あちこちに舞台があって、いろいろ回っていくと静岡もいいところだな、と思ってもらえるのではないかと期待されます」

弁天島にも

 浜松市内で人気の観光スポットも「ゆるキャン△」の聖地になっていました。

北川アナ:「あちらに大きな鳥居が見えます。あの鳥居もアニメの中に描かれているんです」

画像1: 弁天島にも

 浜松市西区の弁天島。アニメや漫画の人気の高まりと同時に、観光客も増え、地元の観光協会も、その効果を実感しているといいます。

舞阪町観光協会の担当者:「この辺は愛知が多いですけど、でも東京とか大阪からも来ているので、すごくよかったかなと思っています。掲示物等もいろんな感染の注意を出していますので、そういうところに注意しながら、いろいろ見に来ていただけたらなと思っています」

画像2: 弁天島にも

そして、日が落ちてくると…。カメラを構える人たちが。

神奈川県 30代観光客:「アニメもお正月だったので、ちょうど正月に夕日がここに落ちるということだったので、ちょうどいいのが見られそうだなと思っています」

静岡県藤枝市 50代観光客:「アニメとかマンガに出ていたシーンが身近にあって、行ったことがある、近くを通ったことがあるようなところで、もう一回改めて回ってみようとなったものですか」

 そして…待つこと30分。

画像3: 弁天島にも

鳥居の中に、ゆっくりと夕日が沈み、幻想的な光景が――

愛知県 20代観光客:「志摩リンちゃんのコスプレです。実際にキャラはいないですけど、キャラと同じ空気感を味わえるのが聖地巡礼の魅力の一つかなと思います」

 県民にとっては、なじみの場所が、ファンにとって特別な場所に。アニメによる聖地化が、地元の魅力の再発見につながっています。