地元の中高生兄妹のロボットが優秀賞に 浜松市で「ワールドロボットオリンピアード」開催 プロも認める小中高生のプログラミング技術とは
「ワールドロボットオリンピアード」が浜松市で開催
与えられた課題をいかに早く正確にクリアできるか…。
一方こちらはアイディアと技術で作り上げたロボットをPR。
妹:「昨年には熱海市伊豆山において大規模な土石流が起こり大きな被害が発生しました。人を感知できるセンサーをここにつけてることで要救助者を探せるようにしていければと」
浜松市で開かれた「ワールドロボットオリンピアード」の決勝。
司会者:「優秀賞 ウルトラS!」
世界大会へ向け、県勢も熱いバトルを繰り広げました。
「ロボミッション」と「フューチャーイノベーターズ」の2つのカテゴリーで競う
28日浜松アリーナで開かれた「ワールドロボットオリンピアード」通称WROの決勝大会。決戦の地・浜松に集結したのは全国37地区の予選を勝ち抜いた小中高生たちです。
この大会、11月にドイツで行われる世界大会にもつながっています。競技のカテゴリーは2つ。1つは「ロボミッション」と呼ばれる与えられた課題をこなす競技です。
難易度と年齢ごとに部門が分かれ、主に小学生が参加するエレメンタリー部門では「庭の手入れ」が今年のミッションです。雑草に見立てた緑のブロックを刈ったり、てんとう虫を安全な場所に移動させたりという課題に挑戦、いかに早くクリアし高得点を得られるか…。
そして、もう1つのカテゴリーは、「フューチャーイノベーターズ」。テーマに沿ったロボットを製作しアイデアと技術力で競います。
「ロボミッション」はでは…
まず行われたのは「ロボミッション」。140チームが参加し、県内からは11チームが挑みました。
審査員:「3、2、1、スタート!」
小学生:「倒した」
こちら、浜松市のIT教室に通う小学6年生のチーム。雑草を刈ることはできましたが、ロボットの一部が外れてしまうハプニング。思うように結果を残せず140点中69点という結果に。
一方こちらは、裾野市内のIT教室に通う小学5、6年生チーム。
審査員:「スタート!」
有害な雑草と見立てている赤いブロックを見事倒し、指定された場所へ持っていきます。
カラーセンサーを4つ搭載して作ったロボット、緑のブロックも倒してんとう虫も安全な場所へ避難させ無事ゴール。140点中、121点を獲得しました。
臼井康惺さん(11):「思ったより うまくいったので よかったです」
中川智貴さん(11):「成功はしていないが 達成感はあります 全部ではないですけど まあまあ(成果を)発揮できたと思います」
浜松市の中高生のきょうだいが挑戦
一方、「フューチャー・ イノベーターズ」のカテゴリー。ゼッケン番号707、全国大会に進んだわずか9チームの中に、浜松市の中高生のきょうだいがいました。
佐治愛美さん(14):「私たちが注目したのは土砂災害時の救助活動です。 近年、気候変動により世界的に土砂災害が増加しています。特に 私たちの地元である静岡県は災害が多く昨年には熱海市伊豆山で大規模な土石流が起こり大きな被害が発生しました」
作ったのは、色を見分けるカラーセンサと、超音波で地盤の硬さを調査するロボットです。去年、熱海市で発生した土石流災害のような現場で警察や消防などが使用することを想定しています。
佐治愛美さん(14):「実際のロボットの動きはこのようになります。3方向の地面の硬さを調べながら進んでいきこのディスプレイに示した上空画像の上に調査結果を表記しています」
常時活用可能であり費用対効果は高い?
作ったロボットの特徴を審査員にアピールします。
佐治由洋さん(16):「地面の調査は災害時のみならず災害予測のための調査や雪山の調査でも行われるため私たちのロボットは常時活用可能であり費用対効果は高いです。これまで実際に土砂災害の現場でこのようなロボットが入るということは少なく熱海の現場でもドローンが映像収集のために使われただけとのことでした」
審査員:「もうちょっとこういう開発をしたかったとかもうちょっとここに時間をかけたかったということはありますか?」
佐治愛美さん(14):「高性能なセンサーを使えれば、実際使うときには探索棒の先に人の音とか体温を感知できる、人を感知できるセンサーをここに付けることで 要救助者を探せるようにしていければなと」
すべての競技が終わり、いよいよ結果発表
司会者:「優秀賞、707、ウルトラS!」
浜松市のきょうだいは優秀賞に。世界大会への切符は掴めませんでしたが技術とアイデアが認められました。
佐治愛美さん(14):「今回2人で半年間作り上げてきたロボットをしっかり伝えられることができたのでよかったなと思います」
佐治由洋さん(16):「自分が持っていたアイデアというのを発信できたのですごく楽しかったですし最後このような賞がもらえて非常にうれしかったです 今回発表したアイデアを次のステップに持っていくことや最終ゴールは実際の社会で使える、社会をよりよくするためのものにしていきたいなと考えています」
子どもたちのアイディアや技術に、ロボット製作のプロである地元企業からは…。
ヤマハ発動機ロボティクス事業部
江頭綾子事業部長:「一番いいなと思うことは みなさん非常に楽しそうにチームを組んで協力し合いながらやっているところが良いところだなと 共に暮らす仲間みたいな形でロボットを開発していく視点というか世界への広がり方というところを、ぜひ子どもたちの視点で大きく膨らませていっていただきたいなと思った」