物価高騰乗り越える『ワケあり商品』…味は変わらず「B級品野菜」 292円のお菓子が50円…「賞味期限」間近な商品 静岡市、掛川市

 私たちの生活に大きな負担をかける“物価の高騰”。帝国データバンクによると、3月はロングセラーのアイスや調味料などが値上げ。4月には4892品目が値上がりすると発表されています。そんな中、静岡県内“ワケアリ商品”の売り出しに力を入れている店が。

画像: 物価高騰乗り越える『ワケあり商品』…味は変わらず「B級品野菜」 292円のお菓子が50円…「賞味期限」間近な商品 静岡市、掛川市

買い物客:「1日1回か2回くらい通って」
買い物客:「おいしい。キャベツ、レタス、ブロッコリー、ねぎ、新鮮だから」

栗田麻理アナウンサー「見てください。こちらのお菓子、通常だと292円なんですが、1個50円で売られています」

 値上げの中で注目される“ワケアリ商品”。県内の最前線を取材しました。

全部100円…「B級品の野菜」の無人販売所

画像1: 全部100円…「B級品の野菜」の無人販売所

栗田麻理アナウンサー:「掛川市上内田にある無人販売所です。こちらにはたくさんの種類の野菜と、そして今が旬のはっさくも売られています」

 県道沿いにある野菜の無人販売所「SUGAR FARM」(シュガーファーム)。近くの畑で獲れた新鮮な野菜が販売されています。この日、販売所で売られていたのは果物を含めた9種類。値段は全て100円です。

SUGAR FARM 佐藤京亮代表:「僕らは基本(獲れた野菜を)スーパーに卸しているが、そちらに出せなかった B級品の野菜をなるべくお客さんに安く提供している」

 こちらでは少し傷がついてしまったものや、形や大きさなど、市場の規格から外れてしまった、いわゆるB級品を主に扱っています。もちろん、市場には出せなくても味や品質は変わりません。

買い物客30代:「1日に1回か2回は通る。混んでいる時は帰りの時に。安いしおいしいから」
買い物客70代:
Q.きょうは何を買った?
A.「キャベツ、レタス、ブロッコリー、ねぎ。」
Q.たくさん買いましたね
A.「新鮮だから、すごく持つ」

 輸送コストや肥料の高騰で野菜も“値上げ”の影響を受けています。ところが、こちらでは3年前の開店から値段は100円~150円で据え置き。去年夏にはオクラの詰め放題なども行われていて、地元の人たちからは重宝されている無人販売所です。

画像2: 全部100円…「B級品の野菜」の無人販売所

SUGAR FARM 佐藤京亮代表:「結構赤字ぎりぎりのラインを頑張ってやっているが、お客さんが毎日買いに来てくれて、ときどきお客さんから感謝の言葉とか「おいしかったよ」とか言ってくれるので、そういう気持ちに応えたくて僕らも頑張っている」

 お客さんの声が“励み”になるという佐藤さん。7月にはスーパーに卸しているようなA級品も扱う直売所をオープンするといいます。輸送費がかからないため、価格も…。

SUGAR FARM 佐藤京亮代表:「(A級品は)もちろん直売所のほうがスーパーよりは安く提供したいと思う。持っていく作業代や作業の手間がこちらで売ることで削減できるので、その分安くしてあげられたらなと。野菜が高いなか僕らの野菜をおいしいと言ってくれているお客さんにおいしい野菜を届けたいので、これからも頑張っていきたい」

賞味期限間近な商品で

画像: 賞味期限間近な商品で

 産地直送で“お得感”を演出する店がある一方で、静岡市内にはこんなお店が…。

栗田麻理アナウンサー:「静岡市駿河区にある大型リサイクル店の一階にあるお店です。目指せ食品ロス0しずおか食品市場と書いてあります。入ってみましょう。いろいろな商品が売られていますね。見てください。こちらのお菓子、通常だと292円なんですが、1個50円で売られています」

 こちらの食品売り場では飲料からお菓子、お米まで全ての商品が定価以下の金額で販売されています。実はここにも“ワケアリ戦略”が…。

しずおか食品市場 白鳥真代さん:「当店は賞味期限が切れた商品、賞味期限間近な商品を買い取って販売している。主に関東の業者から商品を入荷していて、あとは企業やお店からの持ち込み等で販売している」

 食品には安全に食べられる期限の「消費期限」と、おいしく食べられる期限の「賞味期限」が記載されています。こちらの店ではおいしく食べられる期限である「賞味期限」が近かったり、過ぎた商品を取り扱っています。業者が抱える余剰在庫などを安く仕入れることで、“お得感”が出せているといいます。

しずおか食品市場 白鳥真代さん:「社会問題となっている食品ロス削減というところで、少しでも減らせることを目指している」

1000円札で2200円分購入

画像1: 1000円札で2200円分購入

 消費者は安く買うことができ、お店も廃棄を減らすことができる。これが“安さ”の理由です。番組では1000円を用意。一般的な販売価格と比較してどの程度安くなるのか検証してみました。

 飲料やインスタント食品、お菓子など幅広く選んでいきます。買い物カゴには数多くの商品。気になるのはその値段ですが…。

画像2: 1000円札で2200円分購入

栗田麻理アナウンサー:「実際に購入してきました。今回購入できたのは、合計13点です。お菓子やカップ麺、そして飲み物まで。いろいろなものが買えました。気になるお値段がこちら合計987円です」。今回購入したのは13点。前日に賞味期限が切れたゼリー1点を除き、残りは全て賞味期限がまだ切れていない商品を選びました。賞味期限の長さは違いますが、市内のスーパーでの販売価格を参考にすると合計はおよそ2200円。今回の検証では半分以下の金額となりました。

しずおか食品市場 白鳥真代さん:「まずはこういうお店を知って頂くというのと、物価が上がっているので、できる限り安く提供して、地域の皆さんの助けになれればいいかなと思う」