競技人口は右肩上がりの“頭脳スポーツ”…卓を囲んで真剣勝負 「市町対抗健康マージャン大会」初代チャンピオンは? 静岡市
真剣な表情で牌を握り、いたるところで緊張感漂う真剣勝負。ただ、その会場はマージャンを行う雀荘ではなく、県の福祉会館。23日、静岡市で行われたのは今、シニア層を中心に広まりつつある「健康マージャン」。「お金をかけない・お酒を飲まない・たばこを吸わない」の3つをモットーに、“頭脳スポーツ”として行うマージャンで、その競技人口は全国的に右肩上がり。
2007年には、60歳以上を中心とするスポーツと文化の祭典「ねんりんピック」の正式種目にもなるなど、注目の競技なんです。そうしたなか、23日に県内初の取り組みとして行われたのが、「市町対抗健康マージャン大会」です。

しずおか健康麻将の会 松村範子理事長:「静岡県の東部・中部・西部、全地域で20チーム参加していただいて、マージャンの成績を競い合う大会です」
西は浜松から、東は長泉町まで、幅広い地域の雀士が一堂に会し、県内で最も強い健康マージャンの地区を決めるというこちらの大会。あつまったのは県の健康マージャン協会に所属する総勢60人。住んでいる地区ごとに3人1組のチームとなり、優勝の座をかけて戦います。
参加者(46)チーム掛川
Qきょうはどのチーム?
A.「掛川です。チーム戦なので、少しでも点数を伸ばせるように頑張る。
Q.今大会最年少ということらしいが?
A.「自分より年配の方が多いので、いろいろお話も聞けて、マージャンだけじゃなく、いろんな勉強になる」
参加者(90)チーム葵区
Q.きょうはどのチーム?
A.「静岡市葵区です。ちょっと恥ずかしいけど90歳です。役満というのを40回以上やっているのが私の自慢。グループの足を引っ張らなければいいかなと、それだけでドキドキしている」
基本的に、勝ち負けよりも皆で楽しむことを目的とする「健康マージャン」。そのため、年齢やマージャンの経験には制限を設けていません。ただ、参加者の表情はまさに真剣そのもの。ゲームとはいえ、それぞれがスポーツと同じように優勝の称号を目指して競い合います。
1回戦1時間、4回戦を終えた時点でそこまでに得た総得点の高いチームが優勝となる今大会。

3回戦終了後
大会も佳境を迎え、残すところあと1戦。上位にあがっているのは、競技人口が多く2チーム出場している浜松が1位と3位に。そして藤枝が2位につくという形になりました。
チーム浜松A(3回戦終了時1位):「最後どうなるかわからないけど、なるべく振らないように気を付けて、(1位を)保っていこうと思います。がんばります!」
チーム藤枝B(3回戦終了時2位):「やっぱり上を目指したい、行けるかどうかは別として」
Q.トップとの差はあと1万点以下だが?
A.「逆転できるぞ、できる。がんばるぞ」
最終戦では、ここまで1着、2着、1着と安定した勝利を収めているチーム浜松の小野田さんと、なんと日本プロ麻雀連盟に所属しているプロからマージャンを教わったというチーム藤枝のリーダー前嶋さんが同じテーブルに。互いの地区の優勝の座をかけた、絶対に負けられない最終戦。

試合時間残り10分で迎えた南1局。点数は前嶋さん以外の3人がほぼ互角で、前嶋さんも十分逆転を狙える位置につけています。
前嶋さん
「チー」
ここで前嶋さんに動きが。自身の手牌を少しでも上がりに向かって進めようとしますが…。
「ロン、5800」
他の人の上がり牌を引いてきてしまい、終了直前に痛恨の振り込み。そして続く、南1局1本場では…。
「ロン、西ドラ1、2300」
小野田さんが他の人に振り込み、試合終了。結果、2人とも4回戦は総得点がマイナスとなる形になってしまいました。

優勝は…
チーム浜松A 小野田さん:「最終戦は最後の最後に振り込みました。へこみました…。楽しかった、初めて参加したが楽しかったです」
チーム藤枝B 前嶋さん:「ちょっと荒いマージャンになっちゃって、怒られます。師匠から言わせれば怒られます。あんなマージャン打つんじゃないって」
Q.師匠に何かメッセージは?
A.「ごめんなさい、変なマージャン打っちゃって…(笑)」
4時間以上に及んだ今大会。果たして、栄えある県内一の称号に輝いた
のは…。
運営スタッフ:「第1位……。富士宮チーム。おめでとうございます」
実は3回戦終了時に4位に入っていた富士宮チームが一気に逆転優勝。見事、県内一の称号を手にしました。
富士宮チーム:「日頃一生懸命やってますので(笑)。がんばりました。運がよかったです、運も実力のうちか(笑)」

対局中は真剣でも、試合が終われば自然と笑顔に。それも健康マージャンの魅力の一つです。県内初の市町対抗大会。今後はさらに幅広い年齢層に、広げていきたいといいます。
しずおか健康麻将の会松村範子理事長:「参加してくださった方が楽しかったと言ってくれたのが何より。次は子どもを入れたい。静岡はまだ少ないが(マージャンの)子ども教室というのをやって、子どもで大会に出られるくらいにレベルを上げて、中学生や高校生を入れて4人にするとか、そういうチームを作りたいなと」