コロナ禍で人気…デリバリー専門の飲食店 複数ブランド扱いメニューは200種以上 静岡市
利用客:「静岡で『ウーバーイーツ』とか『出前館』とかはやり始めた実感はある」
コロナ禍で急増するデリバリー需要を追い風と捉える動きも。
「TGAL」静岡店 石原雅也代表:「コロナという中でスタートできたことはよかったと思う。まさしくフィットする業態だと思う」
静岡市で注目を集める、新しい形の飲食店に迫りました。
一拠点で複数のブランドを
全国で100店以上を展開する「TGAL」。県内では静岡市と浜松市に出店しています。飲食業界が苦境にあえぐ中、静岡店は先月オープンしたばかり。実はこの店、コロナ禍で新しい活路を見いだしていました。
「TGAL」静岡店 石原雅也代表:「TGALデリバリーでは、一拠点で複数のブランドを取り扱っていて、静岡では、洋食をメインに出前館、ウーバーイーツで(注文を受けて)、そういったものを自社配送で届けている。それぞれのブランドのコンセプトを落とし込んで展開している」
こちらはデリバリー専門店。しかも、従来の店とは大きな違いがあります。1つの店で牛カツや韓国料理など、12の専門店ブランドと契約。そのすべての店、あわせて200種類以上のメニューを提供することができます。12店舗のキッチンが、この10坪に集約されているんです。
飲食デリバリーの代表格といえば、「ウーバーイーツ」。県内でも去年サービスが始まり、ウーバー配達員もずいぶんと見慣れたものに。2度目の緊急事態宣言で、都内では需要が急増しているといいますが…。
県内のウーバー配達員:「緊急事態宣言も出てないからなのか、静岡では首都圏ほどの需要は感じていない」
首都圏ほどは、利用が増えていないといいます。そんな中、なぜ県内でデリバリー専門店を出すことにしたのでしょうか…。別の居酒屋でも店長を務める、石原さんは。
「TGAL」静岡店 石原雅也代表:「コロナ禍だからこそですよね。何か新しいものにチャレンジしたい中で、既存の飲食店だけでは、(コロナが)まだいつ収束するか分からない中で、打ち勝っていけないだろうという思いで、デリバリーに新規参入した」
収束が見通せないコロナ禍で求められた変化。「TGAL」では、「ウーバーイーツ」や「出前館」といった既存のプラットホームを活用し、注文を受け付けています。
たくさんのタブレットが並ぶ…
中野結香アナウンサー:「あちらにたくさんタブレットが並んでいるが、あれは?」
石原代表:「あれはウーバーイーツの各店舗のタブレット」
中野アナ:「同時に複数のチャイムがなることも?」
石原代表:「あります。一番冷や汗をかくタイミングですね」
開店から15分。早速注文を知らせるチャイムが…。最初の注文は、黒毛和牛ハンバーグ弁当。すぐに調理に取り掛かります。
「TGAL」静岡店は、店から2.5キロ圏内で利用が可能。4台のバイクを稼働して出発から10分以内の配送を目指します。ここで、デリバリーならではの光景が…
利用客の7割がキャッシュレス決済による置き配
人との接触をしたくない、されたくない、ということで、置き配。
対面で直接商品を渡すのではなく、玄関先などに置く「置き配」。コロナ禍で急速に広まり、店では利用客の7割がキャッシュレス決済による置き配を選ぶといいます。
この日、開店から1時間ほどで6件の注文が。しかし、その後はパタリと注文が止まってしまいました。
石原代表:「きょうは惨敗です。(ランチタイムは)きょうは静かな営業でした。普通に飲食店行くよりも、割高な部分は否めないので、しっかりと丁寧なものを早くお届けしたい。(夜は)いい結果を見せられるように受注を待ちたい。
午後3時にランチの受け付けは終了。夜の営業に向け、従業員は仕込み作業を進めます。午後5時に営業を再開すると、30分後には最初の注文が入りました。これを皮切りに、立て続けに注文が…。
キッチンの従業員:「料理しながらもオーダーが入ってくる状況なので、せわしなくなってくる。ちょうど、ご飯の時間帯なので、この時間が一番忙しい」
利用客「人と接触しないし安心して利用できる」
配達員も次々と商品を届けに出発。届け先から、また別の届け先へとはしごすることも珍しくありません。「TGAL」のサービスに利用客は…。
利用客:「選択肢が多いのはありがたい。だいたい家族でどこか(外食に)出かけるとなると、ケンカになるじゃないですか。あそこ嫌だ、ここは嫌だ、これはいいけど、あれは嫌みたいな。(こういう業態だと)そういうことも無くて、自分の好きなものを家族それぞれお願いできるのはとてもいい」
「外食を避けたくて…」という利用客も …
利用客:「(デリバリーは)人と接触しないし、コロナウイルスをもらう確率は低いと思って、安心して利用できる。(こういう業態は)珍しいと思う。すごく工夫があって面白いと思う」
午後10時前、この日最後の配達が終了。この日は一日で25件の注文が入りました。
石原代表:「お昼はどうなることかと思いましたが、夜は活気ある動きが出来たので良かった」
中野アナ:展望や頑張っていきたいことは?
石原代表:「まずは(このサービスを)知っていただくことと、初めてデリバリーを利用してもらった方に、また使いたいと思っていただくことが、デリバリー業界自体で/使命だと思っているし、コロナが終わってからも愛されるような店づくりをしたい」
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