「将棋界の一番長い日」…A級順位戦は藤井聡太五冠と広瀬章人八段のプレーオフに  /今週の静岡

 2日、静岡市葵区の料亭「浮月楼」に姿を現したのは、将棋の藤井聡太5冠。この日は名人戦挑戦者を決めるA級順位戦の最終局。10人総当たりのリーグ戦であるA級順位戦。対局が深夜に及ぶことから「将棋界の一番長い日」と呼ばれています。注目はトップを争う、藤井聡太五冠と広瀬章人八段。

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前日の開会式では…。

画像: 前日の開会式では…。

藤井聡太五冠 :「A級戦最終局、浮月楼さんに伺うのは、自分は今期が初めてになる。前期までは中継を見て楽しんでいたが、今回こういった素晴らしい場所で対局させていただけるということ、とてもうれしく思っている」

広瀬章人八段:「この浮月楼様には、毎年のようにタイトル戦のような素晴らしい舞台を用意していただいて、素晴らしい機会を与えていただいていると思っている」

 「浮月楼」での開催は6年連続。会場内での大盤解説には多くの将棋ファンが。さらに…。

多くの将棋ファンが大盤解説の中継映像に釘付け

須藤誠人アナウンサー:「こちらは大盤解説の中継映像を見られるサテライト会場です。県内外から詰めかけた熱烈な将棋ファンがモニターの釘付けになっている」

画像: 多くの将棋ファンが大盤解説の中継映像に釘付け

 浮月楼に入りきらなかったファンはサテライト会場に。

将棋ファン80代(藤枝市):「どこ行っても藤井くんが来るとしょうがないだよ、いっぱいになっちゃって」

 会場に一番乗りしたのは東京都から来た、こちらの女性。

将棋ファン60代(東京都):「現場で見たくて、浮月楼は申し込みしそびれて、こちらに申し込んだ」

 サテライト会場にも緊張感が漂います。「将棋界の一番長い日」はファンにとっても長丁場です。

渡辺明名人「藤井五冠の頭の中はわれわれでも興味がある」

 県内でのタイトル戦で5戦負けなしで静岡との“相性がいい”藤井五冠。大盤解説に登場した渡辺明名人は藤井五冠について…。

画像: 渡辺明名人「藤井五冠の頭の中はわれわれでも興味がある」

渡辺明名人:「(藤井五冠の)頭の中を覗いてみたいなんて皆さん言うが、それは我々プロ棋士でも興味がある。どのくらいのスピードなのか、1回しゃべりながら考えてくれないかな(笑)」

夜の食事…藤井五冠は「焼津ミナミマグロ丼」

 棋士たちにとって束の間の休息となったのが、こちらの「葵の間」。昼と夜、食事会場として使われました。昼食は全員同じ、県内産の食材をふんだんに使った「将軍御膳」。夜は5つのメニューから選ぶ形で、藤井五冠が選んだのは「焼津ミナミマグロ丼」でした。

画像: 夜の食事…藤井五冠は「焼津ミナミマグロ丼」

 静岡のおいしい食事を食べ、藤井五冠は午後8時を前に91手で稲葉陽八段に勝利。初めて挑んだ「一番長い日」を5つの対局で最も早く、スピード決着で制しました。

藤井聡太五冠:「今期A級が初めてで、厳しい戦いになるかと思っていたが、(7勝2敗)そういう成績でリーグを終えられたことはよかったと思う。将棋界で最も歴史のあるタイトルなので、やっぱり重みは大きなものだと思うし、順位戦をやっていって頂点に名人があるというシステムなので、少しずつ近づけているのは、いいかなと思う。本当にまだ名人を意識するということはないが、引き続き頑張っていけたら」

広瀬章人八段「挑戦の可能性残って良かった」

 一方の広瀬八段も藤井五冠に遅れること、およそ2時間半。菅井竜也八段に勝利し、藤井5冠とのプレーオフに持ち越されました。

画像1: 広瀬章人八段「挑戦の可能性残って良かった」

広瀬章人八段:「7勝2敗は自分の最高成績なので、(名人への)挑戦の可能性が残ったことはよかったが、まだ挑戦が決まったわけではないので、またプレーオフに向けて準備したい」

 名人戦挑戦権を争うプレーオフは8日、東京将棋会館で行われます。

画像2: 広瀬章人八段「挑戦の可能性残って良かった」