最新のAI技術「ChatGPT」とは…記事を書いたり商品開発に利用したり 大学は「リポート作成で使用すると『不正行為』」 静岡
「ChatGPT」 最大の特徴
「ChatGPT」の最大の特徴は膨大な知識を引用して文章をつくること。県内でもこの最先端技術を活用しようという動きが広がっています。
しずおかオンライン 坂本真吾代表取締役:「(ChatGPTを)活用していくことで、もっともっといろいろな人の役に立てるものが作れるのではないか、私たちの方でもいろいろな取り組みを始めている」
静岡市内のこちらの会社では県内の地域情報を発信するWebサイトを運営しています。主なターゲットは女性。イベントや飲食の情報を掲載しています。実際にチャットGPTを使った作業を見せてもらいました。
「ChatGPT」が自動で記事を作成
こちらはWebサイトの管理画面。事前に掲載予定のイベントの情報を入力していくと・・・。
入力した情報を元に県内で開催予定のイベントの紹介文が自動で作られました。
しずおかオンライン クリエイティブデザイン部 高山靖健部長
Q.これはどういったことをしていた?
A.「この管理画面のところにイベントの概要的なもの、参加費とか駐車場とかあるが、こういったものを入力してもらって、それに対して本文を入力するがここの部分をChatGPTを使って文章を自動的に生成するということをやっている」
以前はイベント主催者が紹介文を自分で考えていました。それが、ChatGPTで自動的に作成することで、負担を減らすことができたといいます。
速いスピードで社会に浸透
そもそも、なぜChatGPTに目を付けたのでしょうか?
しずおかオンライン 坂本真吾代表取締役:「実はインスタグラムは1億人突破するのに2年半掛かったと言われていて、ティックトックは9カ月くらい掛かったと言われている。それに比べて、チャットGPTは2カ月で1億人を超えたということで、ものすごいスピードでこの世の中にも浸透しているというのを感じた。そういったことがある中で、1日でも早く私たちの会社でも新しい技術を使えるようになる必要があるだろうということで」
普段からデジタル技術を扱っているなかで、導入は自然な流れだったといいます。ただ、現状はあくまでも文章の「大枠」を作成するという使い方に留まっていて、情報に誤りがないか人間によるダブルチェックは欠かせないといいます。
困ると「ChatGPT」に聞く
それでもChatGPTの恩恵は大きいようです。
しずおかオンライン クリエイティブデザイン部 高山靖健部長:「たぶん、もうこのあたりにいるエンジニアに関しては、何か困ったことがあるとChatGPTに聞いて答えてもらってそれを適応するという形ができているので、もはや業務する上では離れられないというか、なくてはならない存在」
またこちらではワークショップなども行い、県内でも技術を普及させる活動を始めているそうです。
しずおかオンライン 坂本真吾代表取締役:「静岡がAIの取り組みにおいて全国を代表できるような地域になっていきたいと思っているので、そういったことを目指して、地域の皆さんと一緒に盛り上げていきたい」
「ななや」運営の丸七製茶は商品開発に利用
県内では他にも、「世界でいちばん濃い抹茶ジェラート」で有名な「ななや」を運営する丸七製茶がChatGPTを使って商品開発を進めていくことを発表しています。今後、ますます普及が予想されるChatGPT。便利なツールではあるものの、課題も指摘されています。
10日、岸田総理は日本でのオフィス開設を検討しているChatGPTの“生みの親”アルトマンCEOとおよそ20分にわたって会談。その中でこんな懸念を示したといいます。
岸田総理
「新しい技術が登場し利用される一方で、プライバシーや著作権のリスクも指摘されている。」
静岡大学はレポートに「ChatGPT」使うと“不正行為”に
県内でも、静岡大学では先週、学生らに対してChatGPTの利用に関する通知をしています。レポート作成時に教員から使用禁止を促されたにも関わらずChatGPTを使ったレポートを作成した場合は“不正行為”とするということです。
私たちの生活を豊かにする新技術、一方でそのリスクとも向き合わなければなりません。