今月も8円下がる…24年ぶりの円安水準 輸入品が高騰…青果店やサラダ専門店は 静岡市
青果店「よく使うものはなるべく上げないようにしたい」
一般家庭はもちろん、飲食店向けにも野菜や果物を販売しているこちらの青果店。現在、直面しているのが輸入フルーツの仕入れ価格の高騰です。
カネタツ
菅原純佳さん:「アボカドとレモンとグレープフルーツですかね。そこら辺はやっぱり急に値段も上がりましたし、数も入ってこなかったりもしたので、欲しいと言われた時にすぐにお渡しできなかったりとか、そういうところが割と大変だったりします」
仕入れ値を押し上げているのは、急激な円安です。円安の影響で、海外からの輸入品は軒並み値上がりしています。外国為替市場では日本時間のきのう朝までに、円の売りが加速し、一時1ドル=136円台後半と、24年ぶりの円安水準まで下落しました。今月に入ってからだけで、およそ8円の円安です。
背景にあるのは、日本とアメリカの金融政策の違いです。物価を抑えるためにアメリカが金利の引き上げを進めている一方、日本は低金利政策を続けています。
カネタツ
菅原純佳さん:「ゴールデンウィーク前ぐらいから徐々に上がりだして、ケースで買ってもらっているところも販売価格が倍ぐらいになってしまって申し訳ない」
外国産フルーツの販売価格はゴールデンウィーク前と比べて、グレープフルーツやレモンで1個あたり数十円、アボカドでは120円値上げしています。毎日店を利用するという常連客は…。
静岡市民 80代:
「あんまり気にしてもしょうがない。上がるものは上がるからね。だからどこかで節約する、そんな感じにしています」
店では販売価格の設定に頭を悩ませています。
カネタツ
菅原純佳さん:「販売価格は上げなきゃならないものは上げますけど、みんながよく使うもの、そういうものが上がってしまうと、どうしてもいろいろ大変になってくるので、そこら辺はなるべく上げないようにはしていきたい」
これは民間シンクタンクが発表した、家計の「値上げ許容度」の調査結果です。以前に増して値上げが「許容されていない」傾向にあることが分かります。今年の食料・エネルギーの価格の上昇による支出の増加予想は、年収300万円未満の世帯でおよそ6万円。この結果を発表したエコノミストは、「今後も許容度は低下していく」と分析しています。
“サラダのサブスク”は2倍以上に
円安による値上げの影響はこんなところにも―
こちらはフレッシュな野菜をメインにした様々なサラダを食べることができるサラダ専門店。多くのメニューに値上げが続くアボカドやオリーブオイルを使っています。
ミスターグリーン
太田祐輔執行役員:「アボカドはケースごとで仕入れているんですけど、ケースで500円以上は上がっている状況です。オリーブオイルはだいたい一つあたり5リットルぐらいのものを使っているんですけど、1000円以上値上がりしますね。これはなかなか厳しいです」
避けられない円安によるコストの増加。輸入食材を多く使ったサラダで100円から200円ほど値段をアップ。さらに、店の看板商品も値上げを余儀なくされました。
1カ月に15食分のサラダを注文できる、“サラダのサブスク”。これまではひと月5900円でしたが、現在は1万2800円と2倍以上に…。
ミスターグリーン
太田祐輔執行役員:「ウクライナとロシアの問題があったので、そこで結構(材料の)値段もガンと上がっている状況。お客様にはご迷惑をお掛けしている部分もあると思うんですけど、サラダをサブスクで食べたいという声があったのでお客様の声を最大限努力させていただいた」
宣伝を兼ねて当初の価格設定は低めにしていたそうですが、予想を上回る高騰です。今後も円安による輸入食材の値上げの影響がさらに長引きそうです。
ミスターグリーン
太田祐輔執行役員:「どうしても上がるものに関しては仕方がないと思うので、そこは受け入れて、極力上げずにやれればとは思うんですけど、どうしても上げないといけないものも出てくると思うので、例えば材料を変えるとかそういったところも工夫しながらお客様にいいものを提供できればと思っている」