【密着】終電後『空白の100分』に何が…JR東海・レール交換工事の緊迫の舞台裏 長さ45mレール交換作業 鉄道の安全支える技術者たち
日本の物流や、通勤通学の足として欠かせない鉄道。その安全を守るために日々さまざまな場所で行われているのが、レールの補修工事です。
JR東海施設係 森斐月さん:「約100分で終わらせる必要がある」
名工建設 今村駿さん:「事前の計画が一番重要」
列車の安全な運行を陰で支える、JR東海道線のレール交換工事。スピードと正確さが求められる深夜の作業現場に密着しました!
午後10時
午後10時。静岡市清水区にある建設会社の事務所には、工事を担当する33人の作業員が集まりました。
点呼
「ゼロ災でいこう、よし!ご安全に」
今回は、JR清水駅と草薙駅の間で工事が行われました。交換するレールは、上下線合わせて4本のうち、上り線、外側のレールで、長さは45メートルです。
事前に行われた検査で、目に見えないレベルの小さなキズが見つかったため、交換することが決まりました。
午後11時
午後11時、工事地点に移動した作業員たち。しかし、工事はすぐには始まりません。
JR東海施設係 森斐月さん:「23時50分頃、上りの最終列車が通過して、列車が入って来ない措置をするまで作業は始められない」
1日平均、およそ300本の列車が通過する、この区間。上り線は深夜に、貨物列車も通らないおよそ100分の「空白の時間」があります。この「100分」で、レール交換を終える必要があるのです。
線路脇に機材や照明がセッティングされると…
午後11時52分
作業員「上り中継接近、終列車になります」
下り線寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」通過
上り線最終電車(沼津行き)通過
石上雄基ディレクター:「午後11時52分です。上りの最終列車が通過していきました。この後、レールの交換作業が本格化します」
レールを交換する「上り線」には、「100分間の空白」がありますが、下り線は頻繁に列車が通過するため、注意しながら作業を進めます。
下り線最終電車(静岡行き快速)通過
まずは交換するレールの両端を機械で切断。「レール山越器」という専用の器具を使って2.7トンものレールを持ち上げ移動させます。その後、新しいレールを運び込み、慎重に設置していきます。
下り線貨物列車 通過
東海道線のうち、JR東海静岡支社が管理する区間は、熱海駅の西側、丹那トンネルから、愛知県豊橋市の二川駅までの176.6キロ。レールの長さに換算すると、1200キロ以上に及びます。
深夜の工事も、大詰めに。もともとあったレールと、新しく入れたレールとの間を、溶かした鉄で埋めると、型枠を外して余った部分を削っていき、段差ができないよう、ミリ単位の調整をします。
列車の乗り心地や安全に直結する、重要な工程。緻密な技術に加え、スピーディーな作業が求められます。
作業員:「上り草薙通過で20分前、20分前」
刻一刻と迫る制限時間。作業は、列車が通過するギリギリまで続きました。そして最後は、工事区間を一列になって歩き、不具合がないかどうか確認。予定通り作業を終えることができました。
若山組 齋藤忍さん:「短い保守時間の中で、ちょっと慌ただしい作業になっていたが、安全にできたかなとほっとしている」
名工建設 今村駿さん:「工程管理が重要になるので、声掛けと確認というところで、安全に工事ができること、そこに気を付けている」
JR東海施設係 森斐月さん:「駅員や運転士と違って、僕たちの仕事は、夜間に行われるので、お客さんの目には入らないかもしれないが、当たり前のように列車が動いているのを見ると、とてもやりがいを感じる」
午前5時10分
空が明るくなり始めた午前5時すぎ。数時間前まで作業員の姿があった線路に人影はなく、日常の姿が戻っていました。
上り線始発列車通過