袴田ひで子さん 93歳パリへ行く(1) 羽田から空路15時間フランスへ 「今も日本には死刑制度があることを知ってほしい」【袴田事件】
28日夜遅く、東京・羽田空港の出発ロビーにその人の姿はあった。袴田ひで子さん、93歳。今や誰もが知っていると思うが、死刑囚の汚名を着せられた弟・袴田巖さん(90)を支え続け、雪えんを勝ち取った人だ。
巖さんの無罪が確定した後も、全国各地を飛び回り、「えん罪被害者を早期に救う制度作り」の必要性を訴えてきた。ただ、今回向かう先は、はるか海の向こう、フランス・パリ。死刑廃止を訴えるNGO団体のイベントに招待され、スピーチを予定しているのだ。「パリか!よし行く!そんなノリだった」とひで子さん。それにしても、東京からパリへは、エールフランスで約15時間のフライト。いくら元気なひで子さんでも体に応えないのか? 「心配していない。ずっと寝ているから」と、心配をよそに笑い飛ばす。この余裕、実は去年の経験も物を言っているようだ。ひで子さんは、去年もイタリアの死刑廃止を訴えるイベントに招かれ、現地でのスピーチを経験している。その時の自信もあるのだろう。
「巖の今の様子も話して、先進国でも日本には今も死刑制度があるということを少しでも知ってもらえれば」。使命感は強い。
パリの到着時間は現地時間の29日朝。その日は記者会見が予定されていて、初日からスケジュールがぎっしり。日本一有名で、忙しいと思われる93歳の新しい挑戦が、今まさに始まろうとしている。
フランスでのひで子さんの様子を随時リポートする。 (峰島孝斉)