芥川賞受賞が決まった静岡県沼津市出身の21歳、宇佐見りんさん…地元書店に「静岡にもまた遊びにいきたいな」
宇佐見りんさん:「胸いっぱいです。まだ頭が追いついていない感じです。とてもうれしいです。まさか、自分の予定よりも早く…、予定よりも早かった、不遜な言い方になっちゃった(笑)」
「推し、燃ゆ」は、大好きなアイドル、いわゆる「推し」が生活のすべてとなっている10代の少女の物語。会見では、宇佐見さんが自らの推しについて問われる場面も。
宇佐見りんさん:「お名前は伏せさせていただきたいんですけど、8年ぐらい応援している俳優さん、舞台や映像で活躍されている方がいて、推しを推す気持ちは(作品に)入っているんじゃないか」
宇佐見さんは自身2作目での芥川賞受賞。今作「推し、燃ゆ」は、現代らしいテーマに純文学的な表現を見事に織り交ぜ、選考委員からも宇佐見さんのたぐいまれな才能が高く評価されました。
主人公の少女は、推しの存在を「背骨」と表現。物語のキーワードの一つになっています。作者の宇佐見さんは、自らの「背骨」について。
宇佐見りんさん:「私にとって小説が背骨であるということは、決して大袈裟なことではなくて、これからもそれは変わらないんじゃないかと思います。背骨(=小説)を全力で描いていきたい」
地元の書店にツイッターで返信
こちらは、受賞直後の宇佐見さんのツイッタ―。静岡県内で書店を展開する「谷島屋書店」からのお祝いの言葉に。
宇佐見りんさん(Twitterより)
「色々落ち着いたら、静岡にもまた遊びにいきたいな…と思っています。ありがとうございます!」
受賞にわく静岡県の書店
林輝彦アナウンサー(吉見書店 竜南店):「こちらの書店でも早速ご覧のように見出しがあります。ただ、気になる本は…、ないんです」
静岡ゆかりの作者の受賞にわく、静岡市の書店。しかし、きのう設置した特設コーナーには肝心の本が1冊もありません。発表直後から、在庫の問い合わせが相次いでいるといいますが…。
吉見書店竜南店 柳下博幸店長:「やられたな…と。本当に問い合わせが来るたびにビクッとします。正直、別の作品が(芥川賞を)取るかなと、まだ(年齢的にも宇佐見さんは)早いかなと言う気もしていたので…。(発注をしていなかったことを)非常に後悔しております」
来店客からは「大学生でこれから有望」と期待の声
林アナ:この受賞は“推し”測れなかった?
柳下店長:「そうですね…、推しが…燃えなかったと…」
受賞後に、宇佐見さんが沼津市出身だと知る痛恨のミス。この特需を『推し』測ることができなかったんです。
来店客 60代:「1日でも早く出してほしい。大学生ということでこれから有望だと思う。これからも新しい作品を書いてもらいたい」
来店客 70代:「年代的に(内容を)わかるかっていう心配はあるけど興味あります。才能ある方じゃないか、期待している」
入荷が待たれる店の特設コーナー。ただ、そこには気になるものが…。
林アナ:これは何?
柳下店長:「これは僕の私物なんですけど、作品はアイドルに対する気持ち「推し」がテーマで、(それにちなんだ)僕の中のアイドルとか偶像を並べて、お客さんがちょっとでも興味を持ってくれたらと思って家から持ってきた」
店長の柳下さんの「推し」グッズを並べて、入荷までにお客さんの興味を高める狙いです。気になる入荷の見通しについては…。
柳下店長:「受賞帯がついた重版が決まっていて、27日か28日の入荷を予定している。(告知をして)少しでも認知度を上げて、入荷した時にお客に行き渡るように対応したい。これは絶対、地元が応援しなきゃいけないと思う」