「ほぼ無いようなもん」夏の味覚サザエに異変 水揚げ激減の一方でシラスは記録的豊漁 静岡の海で何が?
サザエの水揚げは10年前の3割ほど
今が旬、夏の味覚「サザエ」。静岡県では、伊豆半島でとれるものが全体の9割を占めています。ただ今年は…
いとう漁協販売課長 西野真一さん:「ほぼほぼ無いようなもん」
今、サザエ漁に異変が起きています。
大場舞桜アナウンサー(7月31日):「午前6時すぎの伊東漁協です。こちらにはキンメダイでしょうか。このように新鮮な魚介類がずらっと並べられていますが、こちらにはサザエのケースもあります」
漁師や海女が素潜りで行うサザエ漁。例年、5月ごろから10月にかけて行われますが…
大場アナ「きのうの漁で、どれくらいとれた?」
漁師「10kgちょっと」
大場アナ「例年と比べると10kgというのは?」
漁師「少ない。去年と比べると半分以下。毎年毎年出る量が少なくなっている」
いとう漁協管内では、10年前と比べると、サザエの水揚げ量は3割程度にまで激減していて、今年はさらに去年を下回る可能性もあると言います。
この日の水揚げ量も、およそ45kgと思わしくない結果に。
いとう漁協販売課長 西野真一さん
大場アナ「多い年だと、どれくらいの水揚げ量が普通だった?」
西野さん「200~300kgとかあるのかな」
大場アナ「毎日」
西野さん「毎日あった。今、これでも多いんじゃないのというぐらい」
大場アナ「少ない時はもっと少ない?」
西野さん「もう何にも、ゼロ」
県内だけではなく、全国的にも不漁の「サザエ」。卸売価格は5年前には1kg700円ほどでしたが、今は2000円を超えると言います。
静岡県水産・海洋技術研究所は、この不漁についてサザエのエサとなるアラメやカジメといった海藻類が、海水温の上昇などにより、育っていないことが影響しているのではないかと分析しています。
いとう漁協販売課長 西野真一さん:「こんな量じゃ、どうしようもない。徐々にでも良いから元に戻っていってもらいたい。何年かかるかわからないが。元に戻ってほしい」
大場舞桜アナウンサー:「ダイビングなどで人気のスポット、川奈港にやってきました。海のすぐ近くにあるこちらの店では、サザエなど豪華な磯料理が味わえるということですが、影響は出ているのでしょうか?」
海の見える抜群のロケーションで食事ができる「海女の小屋海上亭」。昼時には観光客で満席になる人気の店です。
客(埼玉から):「サザエ好き!海に来たらサザエという印象がある」
客(東京から):「8年ぐらい毎年来ている」
Q:毎回サザエは頼む?
A.「サザエとハマグリは食べる」
専属の海女2人が新鮮なサザエを届けるこちらの店では、サザエのつぼ焼きのほか、サザエ丼やサザエ汁など、豊富なメニューが楽しめます。
大場アナ試食(つぼ焼き)
「サザエ料理がずらっと並んでいます。ひとつひとつ貝が大きくて、とってもおいしそう。一口噛んだ瞬間からサザエのうま味がジュワーッと口の中に広がってきます」
(川奈崎さざえのつぼやき1210円、さざえ丼1650円、さざえ汁1320円)
客を魅了する川奈産のサザエ。不漁でも、海女から直接買い付けているため、仕入れ価格は大きく抑えられていると言います。
昔100kg、いまは「10kgいけば良い感じ」
大場舞桜アナウンサー:「まもなく今シーズン2回目となるサザエ漁が始まるということで、同行させていただきます」
船で10分ほどの沖合にあるサザエ漁のポイントへ。
大場アナ「何個とれたら良い方?」
海上亭専属海女 佐伯草子さん「10㎏行けば良い感じ。多い時は昔100kgぐらいとれていた」
台風などにより、潜れない日が続いたサザエ漁。海女歴10年以上の佐伯さん。いよいよ海の中へ!
潜れる水深は10mほど。潜っては浮上することを繰り返しサザエをとっていきますが…。
海上亭専属海女 佐伯草子さん:「きょうもいない。場所は同じだが絶対数がいない。(回復の兆しは)今のところ見えない。サンゴが増えて、水温が上がっている」
この日は2時間ほどで、およそ26kgの水揚げにとどまりました。
シラスは豊漁 去年1年分の漁獲量を2カ月で
“サザエ”が不漁の一方で、豊漁の海鮮も。
能地優アナウンサー:「駿河湾の恵み、シラスを乗せた船が田子の浦漁港に帰ってきました。何キロぐらいとれた?」
漁師「300kgあるんじゃないの。もっとあるかも」
能地アナ「今年はどう?」
漁師「調子良い」
ここ数年、不漁に悩まされてきた「シラス漁」。田子の浦港では、今シーズン、漁が始まってから2カ月で、去年1年分の漁獲量を上回る、豊漁となっています。
日の出丸 芹澤豊さん:「ずっと良い。量もとれているし、物も良い」
平成丸 花崎悦崇さん:「最高のシラス。きょうはまあまあな方。まだまだだよ」
能地アナ「まだまだ、これから? これから良くなる期待もある?」
花崎さん「ある」
この日の水揚げ量は、およそ2.3トン。1トンを超えると豊漁と言われていて、今年は月に数回記録しています。
豊漁の背景に7年9カ月続いた黒潮大蛇行の終息
豊漁の背景にあるのは、7年9カ月続いた黒潮大蛇行の終息。海の環境が変化し、シラスの親、つまりイワシが過ごしやすい環境が広がったという見方もあります。
田子の浦漁協 髙井友子さん:「日々違うが、きょうみたいな日はみんな15~16杯持ってくる。(これまでは)良くて7~8杯。ずっととれると良い」
漁港に併設されている食堂では、鮮度抜群の生シラスを求めて、朝から多くの客の姿が…。
客(横浜から)
子ども「おいしい」
能地アナ「お子さんがこんなにおいしそうにほお張っているの見てどう?」
親「連れてきて良かった」
人気メニューのひとつが「赤富士丼」。特製だれに漬けた生シラスと卵黄がご飯によく合う数量限定の一杯です。
客(東京から)「たくさん食べられるうちに来ていただいた方が満足度も高いし、すごい新鮮で安くて、皆さんぜひいらしてみたらいかがでしょうか」
こちらの客が頼んでいたのは…
客(富士市から新婚)
能地アナ「今年はシラスが豊漁なんです」
「(奥さん拍手)だから2.5倍できるんですね。ありがたいですね」
シラスの水揚げが多い日のみ提供される、限定メニュー「日本一丼」。なんと生しらすの量が通常の2.5倍と、まさに豊漁の証です。
能地アナ試食:「うーん、とろけます。臭みとか全くないです。ダイレクトにうま味が口の中に広がります。この豊漁期間がこれからも続いてほしいですね」
サザエとは対照的に、豊漁となったシラス。漁は来年1月まで続くということです。