台風被害から1ヵ月ワサビ田の今 9割以上の壊滅的被害も「やれること」から少しずつ前へ
梅田航平記者:
「静岡市清水区の山間部で立派に育ったこちらのワサビ。以前は一面にワサビ田が広がっていましたが、被害から1か月たった今もわさびは土砂やがれきに覆われていて、復旧作業は進んでいません」
こちらは清水区の両河内地区でお茶とワサビの製造・販売をしている「やまよ」のわさび田。
台風15号の被災間もない時点の取材ときょうの様子に、まだ変化はありませんでした。
ワサビ農家:
「ほとんど手つかずですね。農道の片づけだったり、通常業務をやりながらなので、生活もしていかなきゃなので、復旧ばかりやっているわけにもいかない。こういう生きているわさびもこんなに大きくなっていたんだよ。これがもう1万何千本って流されちゃったわけだからね…」
古くは江戸時代から受け継がれてきたというこのワサビ田。全長は400メートルにもわたりますが、その9割以上が壊滅的な被害を受け、被害額は200万円を超えています。
被災から1か月。すべてを元に戻すのは絶望的です。
ワサビ農家:
「材料がまずないわけだから、石垣の石を拾っきてもそこに入れる砂とか土がない。相当な覚悟がいる。全部直すとなると。とにかく体が疲れてきた、1か月たってもなにも変わってないわけでしょ。まだまだという感じ」
一方で、土砂の流入などの被害があったという茶畑を案内してもらうと。
ワサビ農家:
「ここの高さまでは土がはいっていたので、本当に15人ぐらいでバケツリレーで出してこんな風にしてもらった。友達たちが来てくれて、手作業で土砂どけながらここまでたどりついた」
今は来年の一番茶に向けた管理を行う大切な時期。例年より遅れはとりましたが、友人たちの手助けもあって、発災10日目には、通常業務に当たれるようになりました。
ワサビ農家:
「本当にいろいろな人に助けてもらって、友達・仲間・お客さん・先輩・後輩だったり、みんな手伝ってくれて、目に見えてそのご縁を感じられたので、そういう意味では励みになった。一人じゃないと気付かさせてもらったし…」
まだまだ続く復旧活動。山崎さんは「やれること」から少しずつ、前に進んでいます。