静岡市でも「津波災害警戒区域」の説明会始まる 海で船に乗っているときに津波に襲われたら・・・

津波による被害に備えて新たに指定が追加される「津波災害警戒区域」の説明会が静岡市でも始まりました。沿岸部や船の防災について取材しました。

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静岡市でも「津波災害警戒区域」の説明会始まる 海で船に乗っているときに津波に襲われたら・・・

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 12月から静岡市でも始まった説明会。

 「津波災害警戒区域」は最大クラスの津波が発生したときに、避難体制を強化するために指定されます。

 静岡県はこれまで6市町を区域に指定していましたが、来年3月、静岡市を含む7市を新たに指定します。

 清水区役所で開かれた説明会では、警戒区域に指定されると防潮堤の整備が促進されることなどが説明されました。

 出席者の中には、今年9月の台風15号で氾濫した巴川の近くに住む人もいました。

清水区民:
「すぐ近所が駅前の銀座通り。水が30センチほど上がって家にいるときは「ここに逃げろよ」「地震が起きたらこういうルートで逃げなさいよ」というのも家族の中では話をしている」

静岡市危機管理総室 杉村晃一係長:
「先日の台風15号の被害もあって元々防災意識が高い地域だったが、より高くなっていると考えている。この機会に警戒区域に指定して、より一層防災に関する意識を高めていきたい」

 地震が発生した場合、津波が襲ってくるのは陸地だけではありません。

 船を利用して海の上にいるときでも津波に襲われる危険性があります。

 海の上にいるときに大きな地震が起きたら、船はどのように揺れるのでしょうか。

東海大学 馬塲久紀准教授:
「海上では地震動は陸と同じように海でも揺れます。ただ名前が変わりまして「海震」という言い方をします。下から突き上げるような揺れが船にドンという音とともに伝わると考えられています」

東海大学 馬塲久紀准教授:
「高潮・高波と比べると津波の破壊力は計り知れません」

 台風は、気圧と風により、海面が揺れて沿岸部に被害を与えます。

 一方、津波は海底から海面まで海水全体が動くため、その分威力が増し、広い範囲に大きな被害をもたらします。

 津波の危険が迫る場合、船は水深が深い沖合に向かってまっすぐ進むことが大事だと言います。

東海大学 馬塲久紀准教授:
「一刻も速く船は水深の深いところ、沖合といっても水深が深くないとだめです。津波は海水全体の移動ですので、浅くなれば浅くなるほど大きく膨らみます」

 実際に港を利用する船はどういった対策をとっているのでしょうか

河井信吾船長:
「まず船体に大きい地震でドスンと衝撃があったら、船体の見回りをして異常がないかを確認して、これがどういう地震なのか情報を収集します」

 台風と違って事前に予測ができない地震。

 素早い正確な判断が求められます。

河井信吾船長:
「津波が発生したのが分かればこの辺ですと5分以内に来てしまいますので、至急お客さんを一定の場所に集めて、状況に応じて救命胴衣を使う」

河井信吾船長:
「パニックを起こすのが一番怖いので、乗務員の指示に従って行動してほしい」