【豪雨】気づきにくい『床下』の浸水被害(前)…入り口はキッチンの点検口 床下作業メーンのボランティアに密着 静岡・沼津市
浸水被害が大きかった地区でボランティア活動
伊地健治アナウンサー(沼津市西添町 16日):「沼津市原地区の住宅街です。この道路沿いに川の放水路が海に向かって流れているのですが、今月2日の大雨の時には、放水路から水があふれ出して住宅街に流れていったということなんです。住民の方の話によりますと、
当時浸水の深さは1.3mほど、私の胸の高さあたりまで水がきたと
いうことです」
沼津市内でも、特に浸水の被害が大きかった原地区を巡回しているのは、ボランティア団体「しぞ~か・まめっ隊」の代表、千代幸嗣さん。
この団体は、去年9月に設立。県中部に住むボランティア、およそ15人で活動しています。千代さんが、訪問した住宅で調べるのが、床下の状況です。
床下の状況を確認
千代さん:「床板までは水きてなさそうですね。水分の量が10%台だから、気にしなくても大丈夫だと思う、乾燥もできているし、風の通りもすごくいいから、このままで大丈夫だと思います」
「しぞ~か・まめっ隊」は、一般のボランティアにとっては難しい住宅の床下での作業をメーンに活動している団体です。
しぞ~か・まめっ隊 千代幸嗣代表:「昨年秋に発生した台風15号の被害で、静岡市の葵区で僕らも活動していたんですけど、その時にも県外の専門のボランティア団体の方々が床板をはいだり、床下の作業をしていた。僕らでも今後災害に対応していくにあたって、小規模の災害であれば、県外の(ボランティア)団体が来てくれるとも限らないので、そういった場合は、地元で対応できるように、できることから経験をしながら、県外の団体の方から、いろいろ教えていただいて、ある程度自分たちでもできるようになっていった」
床上浸水した住宅では
千代さんが次に向かったのは、床上浸水の被害を受けた住宅です。キッチンの点検口から、床下に入ります。およそ20分後…。
千代さん「水はどこにもなかった」
住宅の人「すごい」
千代さん「よかったです」
住宅の人「すごいですね」
千代さん「あとは乾燥をしたほうがいいかな。サーキュレーターを床下に2台置いたので、家にいるときは回してもらって、寝る時とか出かける時はコンセント(プラグ)抜けば、電源切れるので、在宅の時は回して…」
住宅の基礎部分は、大きく分けると2種類。1990年代後半から普及しはじめた「ベタ基礎」と、古い木造住宅に多い「布基礎」があります。
「ベタ基礎」の場合、一度、床下に水が入ると、乾燥させるのが難しく、「布基礎」の場合は、水は比較的早く消えるものの、泥などが流れ込んだ場合は、撤去に手間がかかります。
どちらも、流れ込んだ水や泥を、そのままにしておくとカビや悪臭の原因となります。
「濡れたままの状態なら、早く乾かした方がいい」
災害後の住宅再建に詳しいNPOの代表、松山さんは…。
災害対応NPO MFP 松山文紀代表:「普段、床の下ですとか、壁の内側は見ることがない状態だと思う。そこに普段であれば水がない所に水が入って、濡れたままの状況なら、それはできるだけ早く乾かした方がいい。乾燥させることが必要になるので、そういった経験とか、知識があるボランティアが関わることで、生活再建の後押しができればということを考えると、非常に重要な役割だと思います」