「現場に行けない状況だった」…境内5カ所で土砂崩れ50基の墓に被害 車修理も大忙し…冠水した車100台を引き受けた店も… 台風15号から3週間、いまだ復旧作業に追われ 静岡市

 台風15号による大雨から14日で3週間となりますが、いまだ多くの人たちが復旧作業に追われています。

「現場に行けない状況だった」…境内5カ所で土砂崩れ50基の墓に被害 車修理も大忙し…冠水した車100台を引き受けた店も… 台風15号から3週間、いまだ復旧作業に追われ 静岡市

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大量の土砂が流れ込んだ寺では

栗田麻理アナウンサー:「静岡市清水区庵原にある一乗寺です。境内の中に大量の土砂が流れ込んできたということです。ただ、この土砂も流れ込んできた一部だということで、土砂の撤去作業は続いています」

 この寺では大雨の影響で裏山が崩れ、境内の5カ所で土砂崩れが発生。墓石が倒壊するなど大きな被害が出ました。

栗田アナ:「こちらは元々お墓があった場所なんですが、流れてきた土砂によって埋もれてしまっている。おとといから業者が入り、土砂の撤去作業が行われている」

一乗寺 丹羽崇元住職:「24日の朝に境内が泥だらけの状況になっているのを確認して、現場を確認しようと思い山に近づくにつれ、現場に行けないくらいの泥水・土砂がたまっていて、ひざ下、腰の高さまで土砂が押し寄せてきていた。これは大変なことになったと思った」

 被害があった墓は、およそ50基に及びます。さらに住職を悩ませたのが…。

一乗寺 丹羽崇元住職:「土砂をかく場所が限られているので、すぐに重機が中に入ることができませんでした。なので、人の手を借りてちょっとずつ現場に近づくように泥をかいていった」

 住職がSNSでボランティアを募ったところ、1週間でおよそ300人のボランティアが駆け付けました。重機が入れるようになるまで、手作業で土砂の撤去にあたったといいます。

画像: 大量の土砂が流れ込んだ寺では

 今では重機が入り、手作業と並行しながら作業を進めていますが、復旧のメドは立っていません。

一乗寺 丹羽崇元住職:「最初は言葉もない状況だったが、いろんな人の助けをいただいて、今は人の温かさや、こういうときだからこそみんなで助け合うという、そういうところも気づかせてもらった。(重機による)大きな作業も必要なんですけど、大切な御骨を救出するという、大切な方が眠っているという意識を業者とも共有して、きめ細やかな丁寧な作業をするように一丸となってやっている」

冠水した車の修理で…

 今回の大雨被害の影響はこんな場所でも…

倉庫いっぱいに置かれた車。すべて、大雨による被害を受けた車です。清水区庵原にある自動車の販売や整備を行うこちらの店では、大量の車の修理に追われていました。

画像: 冠水した車の修理で…

エスワンコミュニケーションズ 望月昭久代表:「冠水した車が、当社だけ100台くらい引き受けの依頼が入っている。日に日に増えて、あとは正直どこも引き受けてくれないので、知り合いが困っているからというので、最終的には100台をちょっと超えたくらい」

 こちらの店では、普段1日10台から20台ほどの修理や整備の依頼がありますが、台風が接近した先月24日から26日の3日間だけでおよそ70台もの車を引き取ったといいます。

 被害を受けた車の中には新車も…。

エスワンコミュニケーションズ 望月昭久代表:「納車して2カ月目くらいの車なので、直せるなら直してもらいたいという依頼」

Q.少し茶色くなっているところが…。

A.「完全に泥です。普段ならダッシュボードで中が見えないようになっているが、ダッシュボードの裏まで浸かっちゃっているので、どこまでやれるかなという…」

 日本自動車連盟によると、静岡県内の冠水に関するロードサービスの件数は、台風による被害を受けた先月23日から25日の3日間で2062件にも上りました。急増したことで、依頼が来てもすぐに対応できないケースも…。

エスワンコミュニケーションズ 望月昭久代表:「代車がないとか、レッカー車が足りてないので、家の前にずっと車を置きっぱなし。現在でも運んでいただけてないお客さんもいる。今はもう他県から、岐阜ナンバーや埼玉ナンバーなどのレッカー会社が入っていただいて、引き回ししてもらっている」

 取材中にも、千葉県から応援に来たレッカー車が。さらに被災者を追い込むのが、新車の減産や高騰です。

エスワンコミニュケーションズ 望月昭久代表:「注文いただいても、新車も全くそろわないし、そのおかげで中古車もずっと高騰しているので、中古車の依頼だと高いものを買っていただくことになりかねない。新車を待っていただいて3カ月ですか? 半年ですか? じゃあ僕の車、代車は? っていうことが、それこそ先が見えない。」