台風15号から2か月…徳川家ゆかりの地、秋葉総本殿可睡斎では国の登録有形文化財が被害も「縁を広げて」復旧目指す
「本当にがっくり あぜんとした」
可睡斎 上岡鋼平さん:
「台風15号でこのような形になってしまった。こちら建物 瑞龍閣といいますけどもその真下の崖がこのようにいま修理はしていますが崩れてしまってます。(9月23日の)朝早く気づいたという感じです本当にがっくり あぜんとしただけです…」
袋井市の古刹、秋葉総本殿可睡斎。年間約8万人が参拝に訪れるこちらは、徳川家ゆかりの地としても知られています。
ことし9月、県内を襲った台風15号。
可睡斎でも境内の一部が崩れ、駐車場に土砂が流れ込みました。
おおよそ5000~6000万円かかる
深刻なのは、こちらの建物。特別に近くで見せてもらうことができました。
可睡斎 上岡鋼平さん:
「こちらが国の登録有形文化財になっています瑞龍閣という建物」
瑞龍閣では、毎年1月から3月まで日本最大級のひな飾りが展示され、この期間中、3万人以上が訪れるといいます。
可睡斎 上岡鋼平さん:
「このように数センチ際まで崩れてしまってます」
可睡斎 上岡鋼平さん:
「これ以上は崩れないようなあくまでも応急処置。いまのところはコンクリートを吹き付けているだけ。近々ここにアンカーを打って確実な安全を確保したいと考えています」
Q修繕費というのはどのくらいかかる?
可睡斎 上岡鋼平さん:
「そうですね、アンカー打つだけでも1本何十万という金額がかかるそう。おおよそ5000万から6000万円ぐらいはかかるのではないかと前回の修復した金額から考えるとそのくらいになる」
5年前にも
可睡斎が台風被害を受けるのは、今年が初めてではありません。
5年前にも今回崩れた場所の近くが崩落。その時は、お寺と檀家さんたちの寄付で工事費を工面しました。
可睡斎 上岡鋼平さん:
「可睡斎もここ何年ずっと災害続きで。建物自体は無傷でそういう意味では色んな補助金とかがおりないということもあるにはある。そこでさらにコロナ禍ということで、その前まではひなまつりでたくさんの参拝者が来てくれたが、それも来られなくなって、収入も激減してしまっています。ですので大変経済的に厳しい現状ではあります」
人や地域との「縁」が活動の原動力
「可睡斎をなんとかしたい」。
上岡さんはクラウドファンディングで修繕費を集めることを決めました。第一目標は1000万円です。
可睡斎 上岡鋼平さん:
「ご参拝ありがとうございます。崖崩れでですねいま可睡斎クラウドファンディングという方法で寄付を…」
上岡さんがリーダーとなり積極的に寄付を呼びかけます。
手探りで始まったというクラウドファンディング。
メールでのやり取りやオンラインミーティングも初めての経験です。
慣れないパソコンでの作業が続く中、人や地域との「縁」が、活動の原動力になっていると上岡さんは実感を込めます。
可睡斎 上岡鋼平さん:
「いままで知らなかった地域の方々、袋井市の商工会議所の方々観光に関わる方々これほど可睡斎を心配していただき協力的になっていただいているということはこの災害があるまで私自身気が付かなかったこと。クラウドファンディングというのはあくまで寄付お金を集める方法システムではありますけど、集まっても集まらなくても人とのつながり、お寺で言えば縁、縁を大事にしていく、縁を広げていくそこが一番やって良かったなというところ」