台風15号から1カ月…濁流に襲われた旅館「復旧のメドはたっていない」 秋の行楽シーズンに大打撃
静岡市のこちらの旅館もその1つです。
旅館の中にも濁流が
栗田麻理アナウンサー(21日):「こちらは旅館の裏なんですが、奥を見てみますと道路が寸断されているがわかります。また、こちらを見てみますと、こちらは元々温泉があった場所なんですが、およそ1カ月たった今でも、奥の方までぎっしりと土砂に埋もれてしまっています」
油山温泉元湯館 海野加奈子女将:「正直まだ何も復旧のめどは立ってない状況です」
静岡市葵区の山間部に位置する油山温泉。9月24日、大雨による濁流が旅館を襲いました。
まるで川のように流れ込む濁流。これは旅館の中での出来事です。外にとめてあった車も瞬く間に飲み込まれました。
「まだ何も1カ月前と変わっていない。それでも…」
被災後、取材に訪れた時にはまだ土砂に埋まっていた車。ようやく21日、1カ月ぶりに姿を現した車が旅館の前から動かされました。
油山温泉元湯館 海野加奈子女将:「ほとんど状況的には、まだ何も1カ月前と変わっていない状況だが、それでも少しずつだが、川の下の方から重機に入ってもらって、皆さんに協力してもらって、少しずつ(復旧が)進んでいる印象はある」
11日からは県内でも全国旅行支援がスタート。秋の行楽シーズンに全国的なキャンペーンが重なったことで、まさにこれからが書き入れ時というタイミングでしたが、依然、復旧のめどは立っていません。
油山温泉元湯館 海野加奈子女将:「私たちも、(全国旅行支援に)エントリーして載ってしまっていると思うが、当分休業することになってしまっているので、とても残念な気持ちでいっぱい」
そうした中、政府は18日、九州などを襲った台風14号や、今回の台風15号による一連の被害を「激甚災害」に指定する見込みになったと発表。指定されることで、政府は自治体の復旧事業に対する補助率を1割程度引き上げ、早期復旧を支援します。
政府による復旧の後押しが発表された一方で、海野さんが今できることとして取り組んだのがクラウドファンディングでした。建物の清掃や解体作業費などを募るため、今月7日から募集を開始。支援の輪は瞬く間に広がり4日で目標金額の300万円に達しました。
油山温泉元湯館 海野加奈子女将:「これから先はまだ全く見えていない状況だが、できることをゆっくりとひとつひとつやっていければいいなと思う」
(10月22日放送)