【豪雨】「遠州の小京都」小國神社にも被害 かけ直したばかりの橋も丸ごと流され 静岡・森町
森町にある小國神社。雄大な自然に囲まれ、「遠州の小京都」とも呼ばれる森町きっての人気スポットです。その森町では各地で大雨の被害に見舞われました。
3日午前6時ごろ
勢いよく流れる濁流。これは3日に撮影された森町の太田川の様子です。
林輝彦アナウンサー(7日):「森町の山間部にある鍛冶島地区です。住民の生活の主要道路である県道がスポット抜け落ちています」
森町の山間部に位置する鍛冶島地区では、大量の流木が橋にかかり、川の水がせき止められて県道にあふれ出しました。結果的に道が削られ、崩落につながったとみられています。これにより水道管が破損、地区の8軒が一時断水する被害も出ました。
こちらは、13日に撮影した森町上空からの映像です。道路が崩落した鍛治島地区では、1週間以上経っても橋に大量の流木が引っかかっているのが分かります。現在、流木の撤去作業が進められていますが、通行止め解除の見通しは立っていないといいます。
一方、県袋井土木事務所によると、町内2カ所の県道が通行止めとなっていましたが、問詰の県道58号は14日、片側通行ができるようになりました。
小國神社の境内を流れる「宮川」でも被害が
こうした大雨の被害は、小國神社の境内を流れる「宮川」でも…。
小國神社 堀川達徳権禰宜
Q.台風2号の時はどのくらいの高さまで水がきた?
A.「このくらいまで」
Q.氾濫しかけるというか
A.「もう本当に(氾濫)手前」
こちらは2日の宮川の様子です。濁流が川岸まで迫ってきているのがわかります。
小國神社 堀川達徳権禰宜:「夏場は子どもがここで川遊びをするが、本当に普段はきれいな川で、台風直後はこういった濁った色になるが、普段はきれい」
かけなおしたばかりの橋が…
大雨から10日以上経っても“濁り”がとれない川。影響は他にもありました─
小國神社 堀川達徳権禰宜
Q.実際に被害があった橋がこちら?
A.「こちらです。丸太が数本かかって手すりがあるような橋だったが、もうこれがまるごと流されてしまった」
人が渡れなくなってしまった橋。この橋は去年9月の台風15号でも流されてしまい、かけ直したばかりだったといいます。
小國神社 堀川達徳権禰宜
Q.ここに来た時にはもうこの様子?
A.「翌朝出社して境内の被害状況を確認した時に、既にこの様な形だった」
折れてしまった丸太から、当時の川の流れの強さが想像できます。橋の被害は他にもありました。
小國神社 堀川達徳権禰宜
Q.もう一本橋が流されてしまったと聞いたが
A.「こちらになる」
Q.本当はここに橋が?
A.「こちらも木製の橋が対岸に向かってかけられていたが、跡形もなく流されてしまった」
紅葉狩りの名所
毎年、秋になると紅葉狩りの名所として多くの参拝客が訪れる小國神社。
こちらの橋は紅葉を撮影する人気のスポットで、まっすぐ伸びた宮川を覆うように生える紅葉のトンネルを見ることができる場所でした。その橋も、濁流には耐えることができませんでした。
小國神社 堀川達徳権禰宜
Q.参拝に来た方からも親しまれていた橋が崩れてしまった?
A.「そうですね」
Q.こういう光景は見たことはない?
A.「ない」
さらに上流部に進むと…。
小國神社 堀川達徳権禰宜:「ここから、川の水が直接当たるような流れで穴が」
Q.ここがそのままえぐれてしまった?
A.「えぐれてしまった形」
Q.見たときはどうだった?
A.「自分の目を疑った。こんなことがあるのかと。自然は恐ろしいなと思った」
小國神社では宮川の増水によって橋や川岸の崩落といった被害があったものの、本殿など、建物部分への被害はありませんでした。ただ、復旧作業は広範囲にわたるようです。
小國ことまち横丁 林真彦副支配人:「駐車場も川の土砂が流れたのか、白くなっていた。道も土砂が崩れて、(翌日には)朝から重機が入って対処していた」
この日も駐車場では車が走ると砂埃が巻き上がっていました。
復旧工事の目途たたず
小國神社では現状、宮川沿いの復旧工事の目途が立っていないといいます。そうした中でも、全国から参拝者が訪れる紅葉シーズン前の復旧を目標としています。
小國神社 堀川達徳権禰宜:「小國神社は自然に囲まれた神社なので、自然災害の影響を受けやすい傾向にある。ですので、ご参拝の皆様方が安心して参拝ができるよう、一刻も早く復旧できるよう努めていきたいと思う」
例年、大雨や台風の可能性が多くなってくるこの先のシーズン。今回の被災地でも不安な日々が続きます。
(6月15日放送)