中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題 国土交通省が全国34店舗に一斉立ち入り検査

中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求などの問題を巡って全国の34の事業場に国土交通省が一斉で立ち入り検査をしました。

画像1: 中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題 国土交通省が全国34店舗に一斉立ち入り検査

 浜松・南区 午前9時すぎ

竹内一夫カメラマン:
「午前9時を回りました。国土交通省の職員がビッグモーターの店舗に入ります。」

 ビッグモーターによる保険金の不正請求問題。

 静岡県内でも浜松南店で修理の際に故意に車を傷つけるなどの不適切な行為が行われた可能性があることが明らかになりました。

 こうした問題を受けて国交省は28日、浜松南店を含む、全国34の店舗で立ち入り検査に入りました。

 従業員から聞き取りを行うほか、帳簿などを確認するということです。

画像2: 中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題 国土交通省が全国34店舗に一斉立ち入り検査

浜松市長会見

画像1: 浜松市長会見

 一方、全国各地でビッグモーターの店舗前にある街路樹などが不適切に撤去された疑いが浮上している問題。

 浜松市内にはビッグモーターが2店舗あり、国道に面している浜松南店と、市が管理している県道に面する浜松東店があります。

 その浜松東店の街路樹について、28日浜松市の中野市長が言及しました。

画像2: 浜松市長会見

浜松市 中野 祐介市長:
「我々としても、まずは市内の店舗の街路樹がどうなっているのかっていうのは、すでに調べた。(浜松東店の)お店が開いた時には、何本か高い木があったのが、その後の老朽化などもあって伐採をしているというのは、事実としては我々として把握している」

 2015年にオープンした浜松東店。

 元々目の前には9本の木が植えられていました。

 2019年ごろの様子を見てみると、道を挟んだ場所にある植え込みは緑色で生い茂っていますが、ビッグモーター前の木は茶色く枯れています。

画像3: 浜松市長会見

 2020年から2021年にかけて9本中7本が伐採され、現在は2本のみとなっています。

浜松市 中野 祐介市長:
「今のところ経緯の記録では、令和2年度から3年度にかけて、浜松市内全域の緊急輸送道路の点検をやっておりまして、その際に不健全な状態を確認した木については、市内全域どこでもそうですが、伐採をするということをやっています。その伐採がビッグモーターの店舗の前の9本のうち、7本についても行われていたっていうところまでは現在確認が取れている」

Q今の現段階で何か不正が確認出来たことは?

画像4: 浜松市長会見

「今の段階ではない。」

 浜松市によると、伐採された木の樹齢は少なくとも30年程度とみられています。

 一般的に木の寿命は30年から40年程度のため、寿命を迎えた可能性もあり、各地で疑われている除草剤などについては、関連が不明ということです。

富士市のビッグモーター

 また富士市のビッグモーターでも目の前を通る県道沿いには街路樹が植えられていますが、店の前だけ木が伐採されています。

画像1: 富士市のビッグモーター

 県によると、2020年9月に「街路樹の撤去」に向けた申請がビッグモーター側からあり、県が承認した上で、ビッグモーターが伐採しました。

 県の聞き取りに対し店は、草むしりなどの清掃作業を
2~3カ月に1回ほどしていたものの、除草剤は使っていないと話しているということです。

 県は当初、適切な手続きを経て伐採されたため、調査はしないとしていましたが方針を一転し、土を採取し、成分を分析するなどの調査を行うことにしました。

画像2: 富士市のビッグモーター

パワハラ訴訟

 数々の問題が浮かび上がるビッグモーター。

 元店長から訴えられていたこともわかりました。

 去年9月、掛川市内のため池に、車両ごと転落し死亡した井川翔馬さん。

 井川さんは当時、掛川市に住んでいましたが、その前は、ビッグモーターの岐阜県内の店舗で店長を務めていました。

 井川さんの父親は。

元店長の父親:
「うつ病にならなかったら僕らの結婚記念日に溺死するなんて死に方はしなかったはず。彼が健康で営業職を一生懸命やって働いているなら、ああいう死に方はしなかったと思う。」

 父親らによると元店長、井川翔馬さんは、静岡県内の大学を経て、2017年にビッグモーターに入社。

 店長を勤めていたのは2019年からのおよそ2年間です。

 そして、その店長時代にうつ病を発症したといいます。

元店長の父親:
「彼がどういう仕打ちを受けていたのかというのは彼の友人から「生前翔馬くんからこういう相談を受けていたんだ」と見せてもらったのがLINEのスクショだった。」

「何年店長やってんだよ」

「日本語もまともに喋れないなら店長務まりませんが」

「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」

 他の店の店長や上司の入るLINEのグループトークで、
翔馬さんに向けられた数々の暴言。

 さらに父親によると、翔馬さんは本人の知らない間に、
退職という扱いになっていたといいます。

去年8月、翔馬さんはパワハラを受けたことに対する慰謝料や
未払いの残業代の支払いを求めてビッグモーターを訴えました。

しかし去年9月、翔馬さんは掛川市にあるため池に車で転落。
心肺停止の状態で救助され搬送された病院で死亡が確認されました。

現在は両親が裁判を引き継いでいます。

ON 元店長の父親
「(裁判で)負けても勝っても僕はいいと思っている。あの会社がどういう会社でどうなったのかという結論だけを出したい。」

ビッグモーター側の代理人弁護士事務所は取材に対し、
「当方の主張は訴訟に提出している書面の通りですので、
回答は差し控えます」としています。

画像: パワハラ訴訟