静岡地方気象台は「竜巻と認められる」風速は40mと推定 屋根が飛び…被害の状況は 静岡市
被害者は『不安な夜を過ごした』
西尾梓アナウンサー(静岡・駿河区 正午ごろ):「きのう竜巻とみられる突風被害のあった現場です。きょうも現場は雨が降っています。後ろにありますのが、この突風の影響で屋根がふき飛んでしまった建物なんですが、その影響で雨漏りが発生しているということです。住民の方は朝から水のかきだし作業に追われていました。そのふき飛んだ屋根というのが、道を挟んだ反対側の建物にかかっています。住民の方によりますと、あす撤去されるということなんですが、住民の方は屋根がかかった状態ということで、不安な夜を過ごしたと話していました」
15日午前11時ごろ、静岡市駿河区で発生した竜巻。一夜明けた16日、屋根に被害を受けた建物には、無情の雨が。住人は、ブルーシートを天井にかぶせるなど対応をしていましたが、全てを覆いきることができず、雨漏りが続いていました。
屋根が飛んで行った向かいの建物の住人も、雨の影響もあり、まだ被害の全容を把握しきれていないといいます。
竜巻が海岸から安倍川沿いに移動
こちらは、きのうの竜巻をとらえた映像。静岡市駿河区西脇のマンションから撮影されたもので、海岸から安倍川沿いに、竜巻が移動している様子が分かります。
地面から空に向けて、激しく渦巻いている竜巻。撮影開始からおよそ3分、次第に竜巻の渦が細くなっていきます。そして最後は、地面付近から徐々に竜巻が消えていき、最終的に消滅しました。
静岡地方気象台は、これらの映像などから15日、静岡市駿河区で、複数の竜巻が発生したとみられるとしています。
ゴルフ場では
駿河区中田本町にあるこちらのゴルフ練習場でも…
白木愛奈アナウンサー(15日):「ボールが飛ばないようにするために張っていたネットを見てみますと、施設の横側に不自然に垂れ下がっているのがわかります。突風により巻き上げられたのでしょうか」
現場では、気象庁による調査が行われていました。
オーナー
「もう一瞬にして引きちぎられて、今まで見たことない。しかも直したばっか」
きのう、こちらの施設は、台風に備えて休業にしていたほか、対策もとっていたといいます。ところが…。
オーナー:「一面全部張り直しが必要になるので、1週間以内で再開できるとはちょっと考えにくいかなと思っています。天災なので致し方ないとはおもいつつも、「やってくれたな」というのが正直な感想ですね」
静岡地方気象台が現地調査
和田佳代子記者(15日):「静岡地方気象台の職員が、現在現地調査を行っています」
こちらの建物では、屋根の一部が落ちてしまいました。
職員:「これ、はがれて」
被害にあった人:「落ちてきたんです。気づいたらここに落ちていて。地震のようでした。1階の工場で働いているんですけど、窓ガラスとかも揺れて、ガタガタしているんですけど、地震みたく床は揺れていないのに建物だけがすごい揺れている状態で、それが10秒くらい続いて」
静岡地方気象台は、安倍川に発生した突風は「竜巻」と推測。その上で、安倍川の東側を中心に起きた被害との関連について調べるために、被害にあった現場を訪れ、当時の状況を聞くなどの調査を行いました。
静岡地方気象台 上清直隆次長:「竜巻と直接結びつくような、耳鳴りなどの情報はこれまでの聞き取り調査では得られていない。安倍川の現象とはまた別の現象が発生した可能性は十分あると思う」
マンションでは9戸で被害
西尾梓アナウンサー:「きのうの突風被害でこちらのマンションには、部屋の窓ガラスが割れるなどの被害がありました。そのため、現在はこのようにベニヤ板を貼るなどして応急処置が施されています」
こちらのマンションは10階建てで40戸が入っています。そのうち、1階のテナントから7階までの9戸で、窓ガラスが割れるなどの被害が確認されました。
マンションのオーナー:「ガラスなのですぐ替えたいところなんですけども、お盆休みもあって、ガラス屋さんお休みなんで、あと、そのガラスの材料がどの程度用意できるのか、それによってなんで、ちょっとガラス屋さんに聞いても、いつできるか、はっきりとした答えが返ってこない状況なので、ちょっと困ってるんですけどね」
静岡地方気象台は「竜巻」と判断 風速40mと推定
静岡地方気象台は先ほど、15日午前11時ごろ、静岡市駿河区中島から中田本町で発生した突風についても「竜巻と認められる」と発表しました。根拠として、漏斗雲または移動する渦を撮影した画像が得られたことなどをあげています。
屋根のトタンがめくれたり、軽自動車が横転したりしていることから、強さは風速40mと推定されるということです。
これで安倍川上で複数の人によって撮影された突風と合わせ、確認された2つの現象とも「竜巻」と認定されたことになります。