今注目される静岡県内産のチーズ より良い味と触感が人気を集める
伊地健治アナウンサー 田子重 西中原店:
「静岡市内のスーパーマーケットです。このあたりからこちらまでずらりと並んでいるのは、国内外のメーカーが作ったチーズ数十種類です。乳製品と言えば11月から軒並み値上げをしましたが、そんな中でも注目を集めているのが、こちら県内で作られたチーズなんです」
一時150円台に突入した円安の影響や、ウクライナ侵攻による影響で、輸送費やエサ代などが高騰している酪農業界。
その影響は私たち消費者に「値上げ」という形で回ってきています。
静岡市内のチーズ工場
訪れたのは静岡市葵区の「うしづまチーズ工場」。
2017年創業で 掛川産ジャージ牛の生乳を使った様々なナチュラルチーズが評判で、独自の商品開発に力を入れています。
チーズを作っているのは松下正明社長。
独学でチーズの製造方法を学び、チーズの先進国フランスオーベルニュ地方にチーズ修行に行った経験もあるそうです。
うしづまチーズ工場 松下正明社長:
「チーズってすごく奥が深いのでもっとおいしいチーズを作りたい。もっと皆さんからおいしいって言葉をいただきたい」
メイドイン静岡のチーズ。
売り上げで見てみても、人気を実感できるといいます。。
こちらのチーズ工場ではオープン時の2017年に比べると、売り上げが4割増えたと言います。
うしづまチーズ工場 松下正明社長:
「円安の影響で海外のチーズが値上がりして元々国産のチーズ(の値段)は高いんですけれど、その値段に追いついてきたことで、飲食店や卸業者が国産のチーズを使ってみたいと引き合いが多くなった」
うしづまチーズ工場では来年、驚きの体制をとることを決めました。
うしづまチーズ工場 松下正明社長:
「来年にチーズの製造室の増築。生産量を2・5~3倍に上げる。それくらいやらないと卸業者の要望に応えられなくなっている」
さらに“静岡ならでは”の商品づくりも進んでいると言います。
うしづまチーズ工場 松下正明社長:
「駿河湾で取れたシラス(から抽出した)乳酸菌。それを2年前から静岡県工業技術研究所と共同で研究してチーズを作っていまして、来年に商品化して販売する予定。県外にもアピールしたいし世界にもアピールしていきたい」
農林水産省の調査では、去年時点で国内チーズ工房数は338カ所。
10年前と比べて1.8倍に増加しているといいます。
海外製品に比べて輸送コストがかからないことや、より鮮度の良い商品を提供できることも背景の1つです。
静岡市内のスーパーでは
そうしたことから、静岡市内のスーパーでも県内産チーズの取り扱いを今年から始めました。
海外製品に比べて比較的価格が安定していることもあり、県内産チーズの人気の高まりを感じているそうです。
田子重西中原店 天野克彦副店長:
「大手の物には引けますがコンスタントに売れている。地産地消で地元の物を地元で食べていただくという取り組みを、うちの仕入れ担当が始めたこと。ワンランク ツーランク(値段が)高いものもあるんですけれど。それでも味とか食感を求めて買って行く」