「命ある限り闘いたい」…袴田巌さんの姉ひで子さんが会見 「57年かかった。やっと再審開始になった」 浜松市
袴田ひで子さん(90):「30年だろうが、50年だろうが、100年だろうが命ある限り頑張って、巌は無実であるから、再審開始まで持っていきたいと思っていた。だけど30年ではなかなか無理で、57年かかった。やっと再審開始になった本当にありがたい」
ひで子さんが安堵の表情と笑顔を交えながら振り返ったあの瞬間。
伊地健治アナ:「再審開始!再審です! 東京高裁は袴田事件の再審開始を認めました」
1966年、旧清水市で一家4人を殺害したとして死刑が確定し、無実を訴える袴田巌さんについて、東京高裁は13日、再審を認める決定を出しました。
巌さんに「再審開始決定」を報告
14日に国会への報告を終え、浜松市の自宅に戻ったひで子さん。
ひで子さん:「きょうはどこ行ってきたの?」
巌さん:「最高裁。東京、最高裁」
ひで子さん:「きょうは良いことあったよ。うんと良いことあったよ」
袴田ひで子さん:「巌に言い聞かせるというよりも、自分に言い聞かせるように『もう大丈夫だよ、安心しな』っていって話したが、たぶん通じたと思う」
長年の拘束で拘禁症状をもつ巌さんからは、再審について言葉はありませんでしたが、東京高裁から巌さん宛に「再審決定通知書」が届いたそうです。
袴田ひで子さん:「『裁判所からきたのよ』『再審開始になったから』と初めて「再審開始」という言葉を使った。(巌さんは)裏切られて、今のようになってしまったが、これで裁判所を信用するように戻って、拘禁症も治ってくれると思う」
弁護団は東京高検に特別抗告断念を申し入れ
東京高検が20日までに特別抗告をすれば、再審を開始するかどうかは再び最高裁で審理されることになります。特別抗告しなければ、静岡地裁でやり直しの裁判が開かれます。
弁護団はすでに東京高検に特別抗告を断念するよう求める申し入れ書を提出していて、支援者もSNSで特別抗告を防ぐための呼びかけをしています。
袴田ひで子さん:「57年闘ってきた。ここで3年5年延びて、どうこうじゃない。まだ5年は3年は生きていると思うから(笑)。再審開始になるようにおおいに戦いたいと思う」