同業仲間の協力が支えに 土石流被災のクリーニング店の1カ月 静岡・熱海市
黙とうを捧げる岡本尚子さん。静岡県熱海市の逢初橋(あいぞめばし)の近くで70年続くクリーニング店を夫婦で営んでいます。
2階に避難で無事も店の再開への不安
発災当時、尚子さんは店の2階に避難して無事でしたが、1階には奥の方まで泥が押し寄せました。
岡本尚子さん(68歳):「最初被災した頃はもう泥を書き出そうとか夢中で1週間過ぎましたけども、だんだん日が経つにつれて気持ちのモチベーションって言うんですか、それが変わってきましたね」
ようやく泥のかき出しには目途がつきましたが、乾燥機やアイロンなど、これまでの機械が使えるかどうかまだ分からないといいます。
岡本尚子さん:「1ヵ月経ってもまだこの状態で本当にいつ再開できるんだろうって不安な気持ち、焦る気持ちですよね。今日は1歩進んだけども明日はどうなるんだろうとかそういう日々の繰り返しです」
市内の同業仲間の励ましで再建へ
そんな中、夫婦の支えとなったのが、同じ熱海市内にあるクリーニング店の存在です。この日、夫の政夫さんは預かっていた客の洋服を仲間の店に運んでいました。岡本さん夫婦を心配して、発災してすぐに電話をくれたといいます。
永沼浩樹さん:「とにかくうちで出来ることはもう全て協力しますから」
岡本政夫さん(70歳):「申し訳ありません。甘えさせてもらいます」
永沼浩樹さん:「お互い様だからいいじゃないですか。頑張りましょう」
岡本政夫さん:「ほんとに助かりました。助かって何て言ったらいいのか。お客さんからも励ましの声がたくさんあったので、じゃあこれで頑張らなくちゃいけないなと。そういうような強い気持ちになりまして。このまま生きていてはいけないなと。同業者が一緒にやろうということで、どうにかここまで一ヵ月過ぎたんですけどね」
発災から1ヵ月。少しずつ、でも着実に岡本さん夫婦は再建に向けて歩んでいます