J1清水エスパルス、快勝で「最下位回避」高卒ルーキーFW川本梨誉プロ初得点

<明治安田生命J1:ガンバ大阪0-2清水エスパルス>◇第34節◇19日◇パナソニックスタジアム吹田

 清水エスパルスがアウエーでガンバ大阪に競り勝ち、クラブ史上初の最下位を回避した。前節のベガルタ仙台戦で敗れて最下位に転落。しかし、この日の勝利で勝ち点を28に伸ばし、16位ベガルタ仙台との直接対決で引き分けた17位湘南ベルマーレの勝ち点27を1上回った。さらに28で並んだ仙台にも得失点差で勝り、例年のJ2自動降格圏外になる16位でフィニッシュした。
 前半はG大阪に押されながらも、球際での強さを見せて0-0で折り返した。今季限りでの引退を発表したDF吉本一謙もスタメン出場し、激しいスライディングでピンチを防ぐなどした。そして、後半4分、スタメンに抜てきされた清水ユース出身の高卒ルーキーFW川本梨誉が、鮮やかに先制点を奪った。DFエウシーニョがペナルティーエリア手前の左から繰り出した鋭いスルーパスに反応。絶妙の動き出しでDFラインの背後に抜け出し、GKとの1対1も制して、ゴール左に流し込んだ。11月29日の湘南ベルマーレ戦では、途中出場、途中交代の悔しさも味わったが、プロ初ゴールを飾り、清水ユース時代の恩師でもある平岡宏章監督の期待に応えてみせた。
 自力での「最下位脱出」には、勝利が絶対条件になる清水は、その後も果敢に攻め続けた。先制点で勢いづく川本はゴール前で相手に脅威になり、同19分には相手DFが弾いたボールを右サイドからダイレクトで中央に送り込み、競り合いに勝ったMF金子翔太が右足で貴重な追加点を奪った。
 その後はG大阪の反撃に耐えながらも、高い位置でもボールを奪うなどした。アディショナルタイムに入ってもゴールチャンスを得るなどして試合終了。クラブワーストタイ7連敗、クラブワーストの年間20敗(引き分け採用の1999年以降)を喫した苦しいシーズンだったが、クラブ史上初の年間最下位だけは回避した。

画像: プロ初ゴールを決めた高卒ルーキー清水FW川本梨誉(C)S-pulse

プロ初ゴールを決めた高卒ルーキー清水FW川本梨誉(C)S-pulse

J1初スタメン初ゴールを決めた清水FW川本梨誉 試合前、カズ君(DF吉本一謙)に「この試合で自分の評価を変えろ」と言われいたので、結果で恩返しできました。カズ君の引退試合でもありましたし、勝てて良かったです。ただ、自分の目標は先発で出続けて活躍することなので、これだけで満足せず、来季も頑張っていきたいです。

画像: 現役最後の公式戦でチームの勝利に貢献した清水DF吉本一謙(C)S-pulse

現役最後の公式戦でチームの勝利に貢献した清水DF吉本一謙(C)S-pulse

清水・平岡宏章監督 吉本が引退が惜しいくらいに引っ張ってくれました。そのおかげで、チームがまとまって、これぞ「戦う集団」になってくれました。川本は急きょ、メンバーに入れました。今後、彼が成長してくれることを期待しています。今季は不甲斐ない成績でしたが、来年こそ、もっと勝てる強いチームを目指して頑張っていきたいです。