内田篤人「体が戻らない…選手として終わったんだなと」(引退あいさつ全文) 静岡・函南町出身
静岡県函南町出身で元日本代表の鹿島DF内田篤人(32)が、現役ラストマッチを終えた。ベンチスタートで前半16分から右サイドバックで出場。守備に比重を置きながら、試合終了間際に放った右足でのクロスで、チームの同点弾を演出した。試合後に開催されたセレモニーでは、シーズン途中での引退決意の至った理由を告白。淡々と話そうとしながらも、ザーゴ監督、チームメート、スタッフらへの感謝を述べるところでは、声を上ずらせた。以下は、引退あいさつ全文。
今日、僕はここでサッカー選手を引退します。鹿島アントラーズというチームは、数多くのタイトルを取ってきった裏で、多くの先輩方が選手生命を削りながら、勝つために日々努力してきた姿を僕は見てきました。僕はその姿を今の後輩に見せることができないと、日々練習していく中で体が戻らないことを実感し、このような気持ちを抱えながら、鹿島でプレーするこことは違んじゃないかと、サッカー選手として終わったんだなと、考えるようになりました。
もうひと花、ふた花を咲かせたいと思って日本に戻ってきましたが、その中で隣に寄り添ってくれたトレーナー、「まだ、やれる」と背中を押してくれたザーゴ監督、大岩前監督、いい時も悪い時も共に過ごしたサポーター、ファン、スポンサー、そして、チームメート、本当にありがとうございます。このようなシーズン、チーム状況で僕の決断を理解してくださった強化部、監督、チームメート、本当に申し訳ない。日の丸を背負ってプレーする重さも、殺気のあるドイツでのスタジアム、辛さもうれしさも全て僕の財産です。
もう少しだけ。この話を聞いているプロサッカー選手を目指す子供たち、サッカー小僧の皆さん、鹿島は少し田舎ですが、サッカーに集中できる環境、レベルの高さがあります。今、在籍している選手たちが、大きな壁となり、ライバルとなり、偉大な先輩として君たちを迎え入れてくれるはずです。僕はそれを強く望みます。最後に、サッカーを通じて出会えた全ての人たちに感謝します。また、会いましょう。