なぜ? 9月に入って蚊が活発化…虫よけ、虫刺され治療薬の売れ行き好調 静岡
蚊が過ごしやすい気温に
厳しい残暑が続く県内。9月に入り、朝晩は過ごしやすい気温の日も多くなってきました。また、今月の最高気温はきのう14日までの平均で、先月よりおよそ1℃下がり、暑さは少し落ち着き始めています(8月平均32.96℃ 、9月平均(14日まで)31.74℃)。ただ、過ごしやすくなったのは人間だけではありませんでした。それは「蚊」です。
30代:「子どもが特にいっぱい(蚊に)刺されてて、特に幼稚園に行っているお姉ちゃんの方が、すごい刺されて、毎日帰ってくる」
70代:「夏のイメージだけど、秋でも結構(蚊が)いますよね。
真冬じゃないと静岡は蚊の餌食になりますよね」
40代:「最近、夜出かけた時に、動物園行ったんですけど、蚊がいて増えた気がした。虫よけスプレーと腕にする香りがするタイプを持ち歩くようにしています」
Q.外に出るときは必ず持っていく?
A.「そうなんですけど、きょう忘れちゃって車に」
虫よけ、虫刺され治療薬の売れ行き好調
例年、蚊と言えば“夏の天敵”というイメージですが、今年は9月に入って猛威を振るっているようです。実際に県内ではこんな所でも“変化”が…。
能地優アナウンサー:「静岡市内の薬局に来ています。こちらには、虫よけの商品が並んでいます。さらに別の場所にも、虫よけミストという商品、その下には、虫に刺された後の治療薬が並んでいます」
静岡市内の薬局では、夏場を過ぎると需要が下がる蚊の対策グッズに異変が起きていました。
くすりのつつじ堂本店 坂本涼介店長:「今年は特に夏が暑かったので、8月中は蚊も活動がしにくかったようで、蚊の対策(グッズ)は販売が落ちていましたが、9月に入って順調に販売をのばしています」
こちらの薬局では、虫よけ用のグッズに、蚊に刺された後の治療薬など、1年を通して20種類ほどの商品を用意していますが、実は夏よりも“秋の蚊”に注意が必要といいます。
くすりのつつじ堂本店 坂本涼介店長:「8月に比べて、9月はやぶ蚊が増えてくるので、より腫れやすい蚊が増えてきているかなと感じます。やっぱり涼しくなってきたので、人と一緒で蚊も活動しやすくなってきて、これから、もう少し蚊の活動が活発になってくるんじゃないかなと思う。虫刺されの客もポツポツ来ていますので、対策されるといいと思う」
なぜ、9月なのに蚊が増加しているのか? 薬局の店長が話していたように、原因は記録的な暑さにあるようです。
蚊が活動しやすいのは30℃以下
フマキラーマーケティング部 菅谷洋介部長:「(蚊は)35℃を超えると動けなくなるというか、蚊の活動が鈍くなるので、人に接する機会がなくなる。(蚊は)いたが動けなかったというのが正しい」
実は、蚊は35℃を超えると活動が鈍くなったり、死んだりするため、30℃以下がもっとも活動しやすい気温だといいます。東京都の感染症調査をする機関によりますと、今年と同様に、猛暑が続いた2018年には、捕獲された蚊の数が最も多かったのは10月でした。今年も、秋に勢力を伸ばしそうな蚊。私たちはどう立ち向かえばいいのでしょうか?
やぶなどでは肌の露出少なくする対策を
くすりのつつじ堂本店 坂本涼介店長:「外で、特にやぶなどに行くような時は、蚊もそうですけど、いろいろな毒を持っている虫が多くいます。涼しくなると活発に動いてくるので、外に出かけるときは、肌を出来るだけ出さないように、やぶとか行く時にはそういう風に対策するといいと思う」
昆虫に詳しいヤマザキ動物看護大学、動物人間関係学科長・長島孝行教授によると、蚊は水がある所に卵を生み、10日ほどで飛ぶことのできる成虫になるといいます。実は蚊は高温にも弱いですが、低温にも弱い生き物で、10℃以下になると活動ができなくなるそうです。仮に、秋だけでなく今年の冬が“暖冬”になると、今年は蚊にとって異例の活動期間となるかもしれないのです。人が一番、蚊に刺されやすい部分は足だそうで、足の裏特有の臭いが蚊を引きつけるといいます。「蚊」から身を守るには、足首を隠す靴下で肌の露出を最小限にして、虫よけスプレーを使用するなど、“対策グッズ”をうまく活用するのがいいのかもしれません。