昨年度の全国王者破った藤枝明誠か 28年ぶり決勝進出の東海大静岡翔洋か 高校サッカー静岡県大会14日決勝
攻撃的サッカーで王者を撃破 藤枝明誠
藤枝明誠
サッカー王国の復活を印象付けた、昨年度、静岡学園の全国優勝。今大会は、打倒・静学を掲げるチャレンジャーたちの戦いとなりました。 しかし、連覇を目指す絶対的王者が準決勝でまさかの不覚。静岡学園を撃破したのは攻撃的サッカーで挑んだ藤枝明誠です。
藤枝明誠 松本安司監督:「全国チャンピオンになったチームが静岡県の中にいることに関しては、静岡にいる高校サッカー選手の高い目標であり、(静学を破った)選手たちに本当に感謝しないといけない」
全国王者に胸を借りた準決勝。高い技術を武器とする静学の攻撃に苦しめられるも、組織的な守備と体を張ったディフェンスで前半を無失点。中でも、攻守の要であるボランチの賀茂選手と島尻選手が存在感を示します。
迎えた後半9分、藤枝明誠はフリーキックのチャンスから、その賀茂選手が流し込み先制。18分にも 賀茂選手がダイビングヘッドでネットを揺らし、王者を突き放します。
藤枝明誠MF17 賀茂大紀選手
「自分は普段から点を取る選手ではなく、守備でチームに貢献する選手。2ゴールという目に見える結果でチームに貢献できたことは良かった」
さらに後半30分には、もう一人のボランチ・島尻選手がダメ押しゴール。攻撃的サッカーで静岡学園を圧倒し、決勝進出を決めました。
藤枝明誠MF6 島尻智貴選手
「全国優勝をしたチームに3‐0で勝てたことは自信になるが、(決勝は)もう一回謙虚に戦いたい」
全国王者から金星を挙げた藤枝明誠。しかし この大会を迎える前には、日本中で猛威を振るう新型コロナウイルスとの戦いがありました。
藤枝明誠MF10 中山碧キャプテン
「インターハイで全国に行きたい気持ちがすごく強かったんですけど、なくなった分、選手権にかける気持ちがすごく強くなった」
活躍の場を奪われた選手たち。それでも、苦しい時期を乗り越えた経験が、サッカーへの想いを強くしてくれました。
藤枝明誠MF10 中山碧キャプテン
「そこまで練習がやれなかった分、いつも以上に練習や試合の楽しさを感じて練習ができたので、そこは良かった」
あすは仲間たちとともに磨いてきた攻撃的サッカーの集大成。藤枝明誠は4年ぶりの優勝を狙います。
藤枝明誠MF10中山碧キャプテン
「超攻撃的サッカーで全国を目指します」
第4シードから強豪校を次々破り28年ぶり決勝 東海大静岡翔洋
東海大静岡翔洋
そして、その藤枝明誠と対戦するのが、東海大静岡翔洋。黄色と黒のタイガー軍団が28年ぶりに決勝の舞台に駒を進めました。 浜松開成館との準決勝では前半終了間際に先制を許すも、後半25分のPKをきっかけに3得点。
鮮やかな逆転劇のヒーローとなったのは、全得点に絡む活躍を見せたフォワードの中沢勘太選手です。
東海大静岡翔洋 FW9中沢勘太選手
「自分の得意なドリブルで得点できてうれしかった。絶好調でした」
第4シードながらも格上の強豪校を次々と撃破。その強さは本物です。
東海大静岡翔洋 太田恒治監督:
「翔洋というのは東海大一の歴史を受け継いでいますが、もう一回新しい歴史をということで、強い翔洋を見せてくれたのは選手たちの力」
東海大静岡翔洋FW9 中沢勘太選手
「自分たちの代で歴史を新たに作れたことは、とてもうれしい」
快進撃の秘密は、中高一貫6年をかけて築き上げたチームワーク。準決勝でも翔洋中出身の7人がスタメンに名を連ねました。
東海大静岡翔洋GK1 安達丈瑠キャプテン 「言わなくてもやることが分かったり、苦しい時でもチーム一体となってやれるのが、このチームの強み。決勝戦でもそこを出していきたい」
中学時代から、太田監督の指導のもと、「打ち合いを制する攻撃的スタイル」を追求してきた翔洋。
東海大静岡翔洋・太田恒治監督
「1‐0とかそういう試合は目指していない。3‐2とか4‐2とか、そういう戦いに持っていきたい」
太田監督が信頼を寄せるのが背番号10の成沢慎哉選手。ゲームを読む力と展開力に優れた成沢が、翔洋サッカーのキーマンです。
東海大静岡翔洋MF10 成沢慎哉選手
「中学3年の時に全国大会に出て、その時に太田先生が『また(高校の)選手権で勝とう』と言ってくれた言葉が心に残っていて、結果として恩返しができたらいいなと思っています」
東海大静岡翔洋として初の頂点を目指し、あすの決勝戦に臨みます。
東海大静岡翔洋 GK1安達丈瑠キャプテン
「翔洋の名を全国へ。必ず勝ちます」