【検証】急流やくぼみも…大人でも危ない川の中のブロック 7歳の女の子が溺れて死亡 静岡・島田市
捜索手伝った人「深くて足が届かなかった」
伊地健治アナウンサー(4日午前11時ごろ):「どなたかが置いたのでしょうか、現場には花がたむけられています。水難事故のあった家山川です。ここは大井川の支流なんですが、奥が上流、手前が下流、すぐに大井川との合流地点があります。そして大井川鉄道の鉄橋があり、その下、川幅50mほど段差があって滝のようになっているんですね。そして水が流れ下ったあの辺りで溺れた女の子が見つかったということです」
3日午後2時ごろ、島田市の家山川で発生した水難事故。家族で菊川市から遊びに来ていた菊川市の小学2年生の7歳の女児が溺れ、死亡しました。女の子が見つかったのは、遊んでいた場所から5~6メートルほど離れた場所で、川に沈んだ状態で見つかったということです。
現場で捜索を手伝ったという男性は、当時の状況について…。
捜索を手伝った男性:「上(川の外)からは見えないんですけど、足で探っていくと穴みたいなものが開いていて、自分も川に入って、奥まで足とか入れて探したけど、なんせ深いもんで全然足が届かなくて、消防が来て、いろいろ木の棒などの長い棒でやっと届いて、消防が引っ張り出した」
前日までの雨で水位が上がっていた
島田土木事務所によると、前日までの雨の影響などで3日の水位は4日と比べ10センチほど高かったといいます。10センチ水位が上がれば、見た目は穏やかでも、コンクリートブロックや岩などを目視で確認できず、危険性が増すということです。
島田土木事務所 海野智之次長:「(ブロックの)場所によっては急流になったり窪みがあったりする箇所がある可能性がある。小さなお子さんから目を離さないようにということ、それからブロック周囲には近付かないようにというような危険を知らせる注意看板を設置したところ」
ブロック周辺に潜む危険は…
静岡市にある「うしづま水辺の楽校」という場所で、子どもたちに正しい水遊びの方法を教えている河津さん。今回の事故はなぜ起きてしまったのか…。
静岡市の安倍川で、水遊びのプロに聞きました。
Q.現場の特徴はどんな風に感じましたか?
うしづま水辺の楽校世話人会 河津通久顧問:「やっぱり橋とか人間が利用するために橋とか作るわけですね。その橋の根本をしっかり固めるために、もっと洗掘されちゃうと橋が流されるもんだから、そういう時にブロックを入れて土砂の流出を防いでいる。そこに大雨なんかで穴があいたり、吸いこみができたり、そういう危険があるんですね」
伊地アナ:「まさに今、この安倍川でコンクリートブロックが置かれているところに来たんですけれども、こうやって見てみますと、コンクリートブロックのだいぶ手前の辺りは底が見えるんですね。今、大人の方が歩いてますけど、とても浅いわけです。ただ、この流れがコンクリートブロックの前の方にくると、だんだん川底が見えなくなって、この辺りもうちょっと白っぽく見えますから深いのかそして波立って、ところどころ流れが反対こっち側に行ったりというのがありますが、これどういう状態になってる?」
河津さん:「ブロックの中が空洞になったりして、こういうところに流れ込むと、吸い込まれて中に入っちゃうことあるんですよ」
Q.ブロックの中に人が入っちゃう?
A.「そうそう。だからそういうのが怖いですね。やっぱりこれで1メートル2、30cmはあるじゃないかな」
川にあるコンクリートブロックは、中が空洞になっているところがあり、大人でもはまってしまう可能性も…。またブロック周辺の水の流れは不規則で、深いところも多いということです。
河津さん:「下流に行くたびに浅瀬になってきますね。こっちは下流へ行くたびに深くなりますね。もし下流で流されても浅いところに出てきますから」
Q.川遊びをしている時にブロックなどの人工物を見つけたときは、とにかくそこは避けないといけない?
A.「そうですね。それが一番賢明ですね。やっぱり下流に何があるかっていうのを見た方がいいね、流された時に。浅瀬を見つけて遊ぶならね、下流に深みがあると怖いですね」