節電に悪戦苦闘 スーパーは『扉付き冷蔵庫』に…「1割削減しても料金は25%増 ドリプラ「サービスの質は下げられない」 静岡市
窮状を訴えるのは、静岡県内にスーパー8店舗を展開する企業の担当者です。
スーパーは冷蔵庫に工夫
山岸さん:「こういう大型機械(冷蔵庫)は熱効率が悪いので、ふたのある大型機械に変えてみて、効果検証している状況です」
こちらは電気代を抑えようと、新たに導入した扉つきの冷凍庫。
山岸さん:「お客さんはアクションが1つ増えるので取りにくいとか、買いづらいとかあるので、商売をする上では悩むところ」
山岸さん「通常の平ケースの上に特設の台を購入して、ふたを開けて取るタイプに変更しました。特に冷凍系は電気代がかさんでしまうので、長い目で見たとき、設備投資をしてでも電気代を抑えたほうがトータルとしてはコストがかからない」
高止まりする、電気代。試行錯誤しながら節電に努めています。
山岸さん:「今まではこの中の電気を切ったり、夕方や混んでいない時間は上の電気(天井の照明)を間引いたりしていたが、お客さんから暗いとか、見にくいという声があったので、お客様あっての商売なので、今は電気をつけている」
節電によって、電気の使用量は去年よりも抑えられています。
山岸さん:「4月の数字なんですけど、使用量的には、(前年比)90%くらい」
しかし…。
山岸さん:「金額的には125%。(1店舗あたり)年間で500万くらい。8店舗でみると4000万~5000万、年間で電気代が値上がりしている。電気代が上がったことで損益が厳しい、赤字になってしまった店舗もある。お客様に転嫁をしなければならない時が来てしまうと、もっと一般の家計が厳しくなってしまう」
家庭の電気代も負担に
長引く電気代の高騰は、家庭にも大きな負担です。平均的な家庭で、おととし7月に6600円ほどだった電気代は、去年1年間で大幅に上昇し、およそ9200円に。その後、政府の負担軽減策によって一時的に抑えられている状況です。
ただ、燃料費高騰などを理由に、東京電力など電力大手7社は電気代の値上げを政府に申請していて、6月以降、再び値上げとなる可能性も…。
静岡市民「だいぶ高くなってますよね。倍までいかないけど結構。無駄遣いしていないのに上がっちゃうから、国として何とかしてくれないかと、いつも思う」
静岡市民「公共料金は高いし、日用品は高いし。主婦は大変だよね、日々の生活」
静岡市民「削りようがないからさ、すべてが高いから。年金生活なのにどうしていいかわからない、どうにかしてもらいたい、どこに言ったらいい?」
「サービスの質は下げられない」
一方、企業では痛み覚悟の対応も…。
重い負担となっている電気代。静岡市清水区のエスパルスドリームプラザでは…。
エスパルスドリームプラザ直営事業部 村上直矢部長:「具体的な金額は申し上げづらいんですけど、昨年と比べておおよそ1.5倍程度、金額的には数百万、月あたり上がっている」
飲食店や雑貨、衣料品店から、ゲームセンターや遊園地まで、60もの店舗を抱え、このままでは電気代だけで年間数千万円も負担が増える見込みだといいますが…。
エスパルスドリームプラザ直営事業部 村上直矢部長:「電気代が上がったことで、サービスの質を下げることはできない」
今のところ、売上につながる集客を優先し、店舗に節電の要請はしない方針だといいます。
エスパルスドリームプラザ直営事業部 村上直矢部長:「先が見えない不安はあります。負担になっていることは間違いないんですけど、それによってお客様の満足度を下げることはしたくない」