土石流災害で観光客が減少…鮮魚店も大きな打撃 それでも「漁師さんからは通常価格で買い取りたい」 静岡・熱海市
鮮魚店社長
「去年のコロナのこの時期より正直悪いですね。おととしの売り上げの半分以下です。3割くらいなのかな、ほんと大打撃です」
こちらの店では宿泊施設や飲食店に魚を販売していましたが、土石流後、その売り上げは大きく減少しています。理由は、熱海市の観光への、いわゆる風評被害です。
鮮魚店社長 「この土石流災害で、あまり熱海の観光地としてのいい印象がないのかな。お客さんが遠のいているのかなとひしひしと伝わってくるし、キャンセルもすごく多いです。だから僕たちが魚を買っても売り先が少なくなってきている」
土石流の影響により、観光で熱海に訪れる人が大きく減少、魚の売り先である宿泊施設などでの需要が少なく、魚が売れないというのです。
周辺の30ほどの鮮魚店のほとんどが飲食・宿泊への販売がメインとなっているため、同じような打撃を受けているといいます。宿泊施設などへの納品は少なくなっていますが、一方で漁師からの仕入れはこれまで通り続けています。
「漁師さんに守ってもらっているので、今までと同じ価格で買い取りたい」
鮮魚店社長 「熱海の漁師さんにいままで守ってもらっているので、漁師さんの魚をいままでと同じような金額でなるべく買いたいと。お互い僕らも苦しいけど、僕らが値段を下げたら漁師さんもまた苦しくなるので、どうしても値段は下がっているが、なるべく通常の価格で取引してあげたいと思っている」
一方で、土砂やがれきが流入した伊豆山港では、発災後、水揚げは止まったままです。
鮮魚店社長
「伊豆山漁港の魚がまず入ってこないと。伊豆山漁港の特徴はアワビ・サザエ・イセエビ・肉厚のアワビとか肉厚のサザエとか、身のしっかりしたイセエビとか、そういう物の入荷がなくなっている」
仕入れを続けるものの、魚は生もので保存がききません。そこで店では干物やおぼろ、油漬けの加工品のネット販売もしています。
鮮魚店社長 「地元はどうしても観光客が少ないので、ネット通販に頼っているのが今のうちの現況です。普段は1日2-3件しか注文が来ないが、今、その10倍くらいの1日30件くらい注文が来ている」
ネット通販では伊豆山の支援のため、売り上げの一部を募金する取り組みも行っています。